「げんなり最賃生活」40人が挑戦し完投は8人

さて、その生活とは・・・・体験者の感想

「こんなの人間の生活じゃない」

 一日の食費が1000円弱、これが現実の最低賃金の生活水準です。「これで生活できるのか」、京都総評青年部は6月いっぱいをかけて「げんなり最賃生活」の体験をはじめ、40人の青年が挑戦、やり遂げられたのはわずか8人。府職労青年部からは5人が参加、書記長のMさんがわずか9円を残し「見事」耐乏生活をやりきりました。
                                                      
  残りの2日間は99円で生活
      ー
Mさんー
 6月の1ヶ月間、最低賃金生活体験をしました。
 最初に最低賃金生活での生活費を計算すると、なんと!2万3千円ほどしか残らず「これはちょっと無理じゃないか」と思い、色々計算をして最賃生活プランを立てました。
 それは、外食はしない・昼ごはんは基本的におにぎり、おやつは買わないというものです。
 この生活も最初は「意外と大丈夫」と思いましたが、日が経つにつれ辛くなってきました。とにかく余裕がないので、楽しいことがなくなる感じです。
 最低賃金生活も残り2日の時には残金が99円しかなく、最賃生活者はオーバーできないので、そのひもじさを体験しようと、晩ご飯を残っている買い置きのおかず少々のみにして、なんとか9円残して終わりました。
 とにかく暮らすだけで精一杯で、栄養もあまり摂れず体重が5sも減りました。体重は減りましたが、ダイエットにはとてもオススメできません。
    ただ食べるだけで趣味なんて…
     −Iさんー
 1ヶ月28440円、1日948円で最低賃金生活を体験しました。ほとんど外食ばかりだった食生活や無駄遣いを見直す機会になるかも、と気軽な気持ちでチャレンジしたところ……
 食事は自炊を基本にしましたが、夜遅くなったときは家で自炊する時間や気力もなく、職場でインスタントラーメンだけ、おにぎり1個だけの日もありました。ふと気がつくと、次の食事で何を食べるか、何だったら安くすむかということばかり考えていました。最後の1週間でガマンできずに歯医者にいったり、飲みに行ったりしてしまい、最終的に最賃額をオーバーしてしまいました。
 食費だけだったらやりくりできるかもしれませんが、趣味ももてませんし、何かアクシデントがあったらすぐに破綻してしまいます。とても健康で文化的とはいえません。最賃額少しでも引き上げてほしいです。



 痛かったガソリン代の1万円
        −Nさん―
 物がなくなるとすぐにスーパーにいっていたのが、あまり行かなくなり、自動車に乗る回数を減らしてバイクに乗るようにしました。それでもガソリン代は1万円をこしてしまいました。田舎は不利だなーと思いました。
 全体的に食費だけだったら1万7千円ぐらいにしかならず、外に飲みにいった時に6千円ぐらい使ってしまい、4日を残してリタイアしてしまいました。普通に生活するぐらいなら特別しんどい食費ではないのですが、服を買ったり、外食したりすることはできません。
〈グチ〉
 最初の設定で家賃5万円とあったけど、僕なら3万5千円から4万円ぐらいのところに住んでいると思うし、光熱費8千円とあったけど、6千円ぐらいで押さえるのにー。どこのだれが1万円もケイタイで使ってるのかなぁー。
 1週間目で精神的ストレス
      ―Kさん―
 私の1日の生活費は、923円でした。
 1ヶ月間、ガマンしようと決意したことは、@移動は自転車を使うA本を購入しない、映画(ビデオレンタルも)を観ないB外食しない・付き合いでも飲みに行かないCクリーニングはやめて家で洗濯するD服・化粧品は買わないことでした。
  自炊は大変でした。レパートリーも少ないので、肉の入ってない肉じゃが、大豆・ひじきを煮たもの、じゃがいも、卵ばかりを口にしていたように思います。
 一週間を過ぎるくらいから、体調が悪くなり、声に力がないと言われ、体重が2キロほど痩せました。体力の衰えが自分でもわかり、疲れやすくなり、歩いていたところもすべて自転車で。
 精神的にもイライラ。自転車では早く目的地に着くことができない、暑いのに冷たいジュースを買えない、スーパーで買えるものが少ない、何をするにも億劫、自炊が嫌になりました。 20日後に残金がマイナスになり、ようやく最賃バトルから開放され、気持ちが落ち着きました。