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 11月に入り、11.19青年一揆まで秒読み段階に突入。10月28日、青年一揆実行委員会主催のプレ企画第1弾「どうなってるの!? 格差社会・ワーキングプア」がハートピア京都で開催されました。
 四条烏丸での直前宣伝では、通りすがりの方が「青年ががんばるのが肝心や、これカンパや」と賛同カンパを渡してくれる場面もありました。
 京都総評副議長の辻さんによる「『格差社会と貧困』社会の攻防」と題した講演では、「『新時代の日本的経営』に見られる雇用破壊により多くの青年が『貧困』状態に置かれ、この問題は青年だけの問題ではなく税金や社会保障が成り立たなくなるという『日本社会を根底から揺るがす』問題であること」が指摘されました。また、諸外国の例も出しながら、日本の最低賃金の極端な低さが、「貧困」を底無しのものにしているということから、京都総評が取り組んだ「最低生計費試算」の意味と意義についても解説されました。また、NHKで放映された「ワーキングプア」についての功罪についても話されました。
 続いて、富士通の関連会社で働いていたNさん、京都市内の小学校教諭のMさん、生活保護を受けながら求職中のSさんの3人をパネラーにシンポジウムを行いました。

 「たたかうこと」は「楽しいこと」

 Nさんは「8時40分に出勤して、終わるのは平均で翌1時。遅いときは2時、3時という日もあった。“潜水服”を身につけている感じ。目の前のことしか見えないような状態」でうつ病になり、会社を休職。休職中にインターネットで、会社がサービス残業など労働基準法に違反しているのでは?と思い調べると違反していることが判明。“サービス残業代”の支払いを求めたが、「払うわけない」と一喝。しかし、「このままでは…」と思い、労働基準監督署に告発。運動の力となるのは「悔しい」という思い。会社の前で夜にビラ配りをしているが、受け取りが非常に良いそうで「一人でも、僕のような人を出したくないという気持ちで頑張っています」

 
労働者に足りないものは『怒』

 続いてMさん。先生になる前の仕事では、医者のご機嫌取りばかりだったが、教員になり「やりがいを感じる反面、年々子どもと一緒にいる時間が減り、会議や研究に追われる日々。最も近い教師の声が上に届かないという現実もあり、現在検討されている“学力テスト”や“学校ランクづけ”が実現すると大変なことになる」と指摘。「新採の教師はあるものが全てであり、今の状態が『当たり前』と信じ、できなければ自分を追い込んでしまうことも危惧されることだ」と話されました。
 さらには、「先生同士で話す機会が失われそれぞれ孤立している。そのため悩みの相談は絶えない。将来、子どもが自分たちと同じ年代になった時、きちんと働ける環境をつくりたい。そのためにも一緒にたたかっていき、『怒』を前面に出したい」と話されました。

 自立できる賃金や政策が必要

 最後はSさん。「ボランティアで施設の運営に関わりながら求職しているが、年齢制限や性別で引っかかり不採用が続いているため、生活保護でなんとか食いつないでいる。求職をする中で『男女差別・男女雇用機会均等法』を切に感じ、何だろうと考える日もある」と言います。また「生活保護以下のアルバイトがたくさんあることを実感した。最低賃金の引き上げ、自立できる賃金やそれに向けた政策が求められる」とも話されました。「司書になりたいが、それを諦めて何でもいいからとりあえず職に就こうかと、夢を諦めようとする気持ちも正直ある」とも話されました。

 この後、会場からの質問・発言になり、活発な意見やとりくみの交流がされました。各地域でのプレ企画や宣伝での様子、そして自分たちにとっての“一揆の意義・魅力”が交流されました。
 
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