668円では生活できません

  

最低賃金の引き上げへ要求集中

 厚生労働省の中央最低賃金審議会で地域別最賃の目安審議が大詰めを迎えています。このほど公表された「賃金改定状況調査結果」では、目安の参考指標とされる零細企業の賃金上昇率が平均で0・5%で、昨年(0・4%)を上回りました。現行の地域最賃平均額(668円)にかけると、引き上げ額は時間額3〜4円となります。
 従業員30人未満の4000事業所を対象に調査しました。特に重視されるのが「一般労働者及びパートタイム労働者の賃金上昇率」を調べた「第4表」。 賃金上昇率は平均で0・5%。Aランク(東京都、大阪府など)とBランク(京都府、埼玉県など)がともに0・6%、Cランク(北海道、福岡県など)が0・4%で、Dランク(青森県、沖縄県など)はゼロです。
 昨年はA、B、C各ランクの引き上げ幅は3円でしたが、第4表の賃金上昇率が「ゼロ」だったDは2円にとどまりました。
 目安は7月26日に答申される予定です。
 
 
東京では、ハンガーストライキ・座り込み行動も

 最低賃金を引き上げるとりくみは全国で実施されました。東京では、中央最低賃金審議会・目安小委員会が開催された7月12日と21日に厚生労働省前や小委員会会場前で「ハンガーストライキ・座り込み行動」や最賃引き上げの要求行動などとり組まれました。 京都では、京都総評青年部が、6月に「げんなり 最賃伝説」をとりくみ、7月6日には昼休み集会・デモ、京都労働局への個人請願など実施。
 
 
京都では、最賃生活体験、労働局要請

 「最賃体験」では、苛酷な生活体験が報告されています。
 「1週間分の食材を買いに行き、その夜に調理・冷凍し、毎朝『チン!』してお弁当を詰めるのがライフワークになった。日を重ねるごとに安い金額で豊富なお弁当が作れるようになってきた。自炊が嫌いやったけど、「やればできるやん!」って思った。お菓子の差し入れがあったけど我慢した。コーヒーの差し入れがあったけど断ってしまった。彼女とのデートは、オシャレなレストランでのディナーじゃなく、毎回、各自の手作り弁当を2人で食べ、映画やカラオケにも行けず外に出るのは散歩だけだった」

 
外食、映画・演劇・デートまで制限

 「缶ジュースなどをよく飲むが、それらを控えた。外食はできるだけ控えた。様々な用事で遅くなるとたいていは外食していたが、とにかく遅くなっても家に帰ってつくって食べていた。普段から被服はほとんど買わないが、一切買わなかった。本は比較的買う方だが、一切買わなかった。友達とごはんを食べに行ったり、職場の飲み会を断りたくなくて、1人のときにあんまりごはんを食べられなかった。お金がないので。(1日1食とか)市外に就職した友達がたてつづけに帰ってきて同窓会をしたり、会いに行ったりして、出費がかさんでしまった。本当にお金がなかったら、会うこともできないだなと思うと寂しい」
  最賃引き上げは、人間として生きるための引けない要求です。


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