公開質問状
1 府の医療政策検討の進め方について 1) 知事は9月定例府議会と決算委員会において、老朽化した洛東病院の建て替えと府立医大付属病院外来棟等の建て替えの総合判断が廃止判断の背景にある旨繰り返し明言されています。そういう問題意識があったのなら、あらかじめ医大整備の議論と洛東病院のあり方の議論をセットにして、それにふさわしい専門家を含む体制で検討を進められるのが通常の行政運営ではないでしょうか。 2)来年4月から急性期リハビリを開始するために、突如12月補正予算が計上されますが、府立医科大学でのリハビリテーションは、大学内部での検討する時間的余裕もないままに、つけ刃的に行われる程度のものでしょうか。府民の多額の税金を使い、府立医科医大百年の計ともいうべき大規模整備が拙速にすすめてはなりません。本年3月に作成された府立医科大学整備基本計画は、リハビリテーション充実の観点が京都府におけるリハビリテーション政策の欠如を反映してきわめて貧弱です。本格的に基本計画の再検討を行うべきではありませんか。 3)洛東病院廃止は、保健福祉部長は30年〜40年の長期的スパンでの政策判断だと述べています。しかし、京都府には長期的判断の根拠となるリハビリテーション政策は「京都府地域リハビリテーション協議会」でもまだ確立されていません。研究・教育、研修機能の整備や、その核となり地域リハビリ支援などができるリハビリテーションセンターの計画もありません。京都府におけるリハビリテーション施策の展望は、国公立・民間すべての医療関係者や幅広い府民の総意で方向付けられるべきもので、その早急な検討の開始が必要です。なぜリハビリテーション政策の検討が遅れているのか、その責任と今後の展望を示していただきたい。 2 洛東病院が担っている回復期におけるリハビリテーションについて 1)洛東病院廃止の理由に、京都市・乙訓医療圏の病床過多をあげていますがこれは内容の吟味を欠いた乱暴な議論です。回復期リハビリ病床は、必要とされる病床の半分以下しかありません。高度な医療を担う病院が多いことはリハビリテーションの需要も多いということです。東山区唯一の回復期リハビリ病床を廃止する理由になりえないのではありませんか。 2 回復期リハビリ病床が急増することを廃止の理由としています。しかし最近、回復期リハビリ病床は微増であり、とても急増とはいえませんし、将来動向も流動的です。不足しているもとでの廃止は凍結し、回復期リハビリ病床の整備状況を見極めた上で「京都府医療施設審議会」などで充分審議のうえ判断されるべきではありませんか。 3)障害の内容が違えば、回復期リハビリの内容も変わります。小児リハビリや頚椎・脊髄損傷リハビリ、脳機能障害リハビリなどをはじめ民間では対応が困難な回復期リハビリは公的に行う必要があります。また、府立医大で急性期リハビリを開始すれば、回復期リハビリ病床の需要もいっそう高まります。「急性期リハビリは公立で行うが、回復期は民間で」という機械的な方針は撤回するべきではありませんか。 4)府立医科大学の外来診療棟整備にはこれから8年間かかります。少なくともその間は洛東病院の経営改善の努力をしながら、回復期におけるリハビリの受け皿にすることが必要ではないでしょうか。総合的な政策判断ができるまでいったん廃止方針を凍結すべきではありませんか。 3 患者、府民への説明責任について 1)行政の意思形成としては異常な進め方を、知事以外が説明することは不可能です。知事自ら、患者・家族、病院スタッフ、地域住民への説明する場を設定されることが不可欠です。いつ、どこで、どのように説明会を行うかについて協議することについて積極的な対応を求めます。 以上、11月末日までに文書で回答されるよう申し入れます。 2004年11月24日 洛東病院の廃止反対、整備・拡充を求める会代表 越中大作 |
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