患者・家族の生きる希望を奪うな
 
京都府が洛東病院「廃止条例」提案
リハビリ医療の充実こそ府民の願い

 「患者は物ではない」と悲痛な声

 府議会代表質問が行われた12月7日、「洛東病院をつぶさないで」と「洛東病院患者・家族の会」や「整備・拡充を求める会」が、府庁正門前で座り込みを実施。小春日和の中、11時30分から13時まで整然と。患者や家族のため、京都のリハビリ医療の充実のためにとの思いを込め100人が参加しました。
 「患者さんは泣く泣く病院を追い出されている」「退院しても、行くところがないといって帰ってくる」「『順調に転院してる』なんてウソや」「洛東病院しか行くところがない」など、患者会や洛東病院支部から訴え。「患者の生きる希望を奪う府政リストラは許さない」「最後までがんばる」と決意にあふれる座り込みでした。

医大整備でリハビリ充実の幻想ふりまく知事

 3万筆を超える「廃止反対」の署名や患者さんたちの要請には耳を貸さず、12月府議会に山田知事は「廃止条例」を提案しました。知事は、「府立医大をリハビリ施策の拠点として急性期リハビリの充実をし、地域リハビリ支援機能の整備など進めていく」と、あたかも京都のリハビリがすぐにも充実されるような印象を府民に与え、洛東病院を廃止しようとしています。
 また、決算特別委員会では、洛東病院がどうしようもなく老朽化しているかのような答弁までして府民を欺こうとしました。知事は議員の質問に答えて、「私が一番印象に残ったのは、非常に高価な機械の上にビニールがかけてある。何でと聞いたら、この前天井から汚水(?)が降ってきた。機械が壊れたら困るのでかけている」(洛東病院支部ニュースより)と答弁。

以前から「廃止方針」を持っていた言動も

 府職労洛東病院の支部長が真相を語ってくれました。「実は、この知事の話は4年前の総務部長時代のこと。松原署視察の後、予定の時間よりかなり遅れ、日もとっぷりと暮れた夕刻時。高額の機械とは、ガンマカメラのことです。就業後に機械類にカバーをかけるのは普通のこと。また、漏れたのは大雨の後の雨水で現在は対策済み。設置者としての責任を忘れた侮辱的な発言」と怒り心頭。
 この発言から推察すると、4年前からすでに松原署の洛東病院跡への移転計画があり、双方の視察を行ったのでしょうか。そう勘ぐられても仕方ありません。

医大のリハビリは急性期だけ

 医大の整備計画は、8年後に完成する計画です。その計画も定かではありません。12月7日付のマスコミ報道では、医大整備計画にかかわり談合疑惑が浮上し、入札をやり直すという事態になったのです。
 「談合疑惑」が発生しなくても、府立医大のリハビリは整形を中心にした急性期リハビリであり、洛東病院が担っている心臓や脳疾患の回復期リハビリは行えません。洛東病院の回復期リハビリは、急性期リハビリを受け持っている民間病院からも高く評価され、その充実が期待されています。
 さらに、回復期リハビリを受け持つ民間病院は、全府的に不足し、東山地域には存在しません。洛東病院をつぶしていいものでしょうか。

「廃止反対」の署名が3万筆突破

 日増しに洛東病院の廃止に反対する世論が高まっています。署名は3万筆を突破しました。「11・29洛東病院前街頭宣伝」には100名の患者さんや地域の人たち、地区労の仲間が参加しました。リハビリの専門医師からも反対の声が上がっています。
 12月府議会には、「整備・拡充を求める会」「患者・家族の会」が「廃止方針の撤回を求める請願書」を提出。「リハビリ医療の充実を求める請願書」も6人の医師が提出しています。
 追い詰められているのは、洛東病院を廃止しようとしている人たちです。
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