洛東病院を残して! |
京都で誇れるリハビリテーション
「もっと存続・充実」こそ府民の声
一気に広がる知事発言への怒り、府民の運動 |
山田知事は9月10日、府民が期待しているリハビリテーション施策の充実を明らかにしないまま「本年度末で洛東病院を廃止する」と公言。この知事発言に大きな怒りが広がっています。「存続とリハビリの充実を求める署名」は、22日現在1万3千筆を超えました。運動は急速な広がりを見せています。 苦しかったけど生活に役立っているリハビリ ![]() 「突然の脳内出血で入院、なかなか歩けない夫を絶対歩かせようと洛東病院で訓練計画を立てていただき、数ヶ月歩行訓練を受けました。おかげで退院するときは杖で歩けるようになりました。家ではトイレも自分で使うことができました」。つい先ごろその夫を亡くしたYさんは、医師や看護師、療法士に感謝の言葉を贈ります。 患者さんや家族の方たちから、絶え間なく届けられる「洛東病院に寄せる一言」。どの一言にも困難なリハビリを乗り越え、生きていることを実感しながら生活する姿が浮かんできます。 長い積み重ねでつくり上げた職員の誇り 洛東病院のリハビリ医療が評価されるのは「人間として社会復帰することに主眼を置き、病院全体がチームとしてリハビリに当たっているから」というのは、府職労洛東病院支部書記長の小松さん。 「ゆっくり時間をかけて患者さんや家族の人と話をし、人間としての生活を復権させるため何ができるのか、機能訓練もそのひとつですが、患者さんを支えるため家族の人がその環境づくりにどうかかわっていくのか、ときには協働し、ときにはサポートをするのが病院スタッフの役割」 この「こころ」があるからこそ水準の高いリハビリができるし、回復していく患者と家族の喜びが職員の誇りであり、働きがいです。 生活を想定したリハビリ訓練を実践する洛東病院だからこそ、洛東を慕い「絶対廃止しないで」「私の心の場所です」と全国からエールが寄せられているのです。 夫の介護経験生かしヘルパーに 「夫は、生活によるストレスもあってか、胃がんのため69歳でなくなりました。洛東病院でのリハビリで杖をついての生活ができ、ハワイにも行ったし、娘とも1泊旅行したり、ホテルで食べたり飲んだりできました。夫は幸せだったと当時の先生に感謝しています。私の介護の負担も本人が少し歩けるか歩けないかでまったく違ったと思います。おかげで、9年間の介護の疲れもなく、ヘルパーとしてがんばっています」 府職員の先輩である山中さんが語ってくれました。洛東病院での経験が新しい人を輪をつくっています。 患者や家族、職員の思いふみにじる山田知事 ![]() 9月10日の記者会見で知事は「包括外部監査や府立病院のあり方検討委員会の『廃止』の報告を尊重し、その時期は『年度末』を目途としたい」とのべました。発表してわずか半年間で廃止を実行する首長は例がありません。まして、リハビリ機能を重点化するとしている府立医大は、整備に5〜8年かかることや、急性期リハビリだけで、洛東病院が担っているリハビリ医療は府立医大に期待できません。患者さんや家族とそこに働く職員の思いはまったく無視されています。 多くの患者さんが通い、100人もの入院患者がいる病院を簡単に切り捨てる知事に大きな批判の声が起こっています。 洛東病院の廃止に反対しリハビリの充実を求める署名は1万3千筆をこえました。リハビリに通院する患者さんが不自由な体で足を運び100筆、200筆と集めている姿を見ると、知事発言に怒りが増します。 9月21日の昼休み時間、東山地区労が洛東病院の廃止に反対するデモを行いました。病院の周りを行進していると、家から顔を出した商店主は「今でも洛東病院に通っている。地域密着の病院ということを忘れている。廃止は絶対反対」と声援を送ってくれました。 「洛東病院の灯を消すな」の声と運動が一気に燃え広がっています。 |
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