知事の一方的な洛東病院の廃止発言に
強く抗議し撤回をもとめるとともに、総合的な
リハビリテーション施策の
策定をもとめる申入書

 10日に山田知事が「年度内に洛東病院を廃止する」と患者さんや職員と何の協議もしないまま一方的に記者会見しました。9月22日府職労は、知事発言の撤回を求め次の申し入れました。

 9月10日、知事は定例記者会見で「本年度末での洛東病院の廃止」と発言しました。「包括外部監査の報告や府立病院あり方検討委員会の意見を尊重して」としていますが、「本年度末廃止」という極端な結論をだしたのは知事がはじめてです。
 洛東病院は、「府立病院あり方検討委員会」も「リハビリなら洛東」と認めているように洛東病院のリハビリテーション医療に対する府民の期待は大きなものがあります。それだけに「京都府のリハビリテーション施策をどう展開していくか」ということを「府立病院あり方検討委員会」も京都府に求めました。
ところが知事は、リハビリテーション施策の充実について何ら明らかにしないまま、洛東病院の廃止だけを先行的に打ち出しました。記者会見では、府立医大外来病棟等の整備計画を明らかにしましたが、京都府の総合的なリハビリテーション施策の保障はどこにもなく、洛東病院で実施していたリハビリテーション医療を引き継ぐことにはなりません。
 知事は、「患者の理解を求めつつ今年度末をめどに廃止したい」としています。しかし現場では、洛東病院長名で「患者様へのお知らせ」として「診療計画などもご説明し、患者様のご意向を尊重し、個別に丁寧に対応させていただきます」と転院の理解を求めるだけの文書が示されています。これでは、「病院の廃止」を先取りするだけでなく、府としてのリハビリテーション医療の責任を放棄して、患者に不安を広げているだけではないでしょうか。
 また、洛東病院には、1300人の外来患者と100人の入院患者がいますし、160人の職員が勤務しています。こうした患者のいのちと健康をおびやかし、職員への雇用不安を招く「職場の廃止」という重大事態について、事前に職員や労働組合にまったく議論や協議も保障せず、記者会見で知事が一方的に「廃止」を表明しました。極めて乱暴なやり方です。
 私たちはこれまで、たとえば「地方振興局等の再編」の問題でも、労使の立場の違いを理解しあいながら何回も意見交換を行い信頼関係を大切にして取り組んできました。「鳥インフルエンザ」の際も、労使が信頼関係のもとに「府民の安心・安全」のために全力で取り組んできました。今回の知事の記者会見での一方的な発言は、こうした労使の信頼関係に冷水をあびせるものであり、断じて許されるものではありません。
こうしたも立場から、下記の事項について申し入れますので、誠意をもって対応するよう要望します。
                     記

1 9月10日の記者会見での知事の発言は、職場での議論の保障や府民の意見を聴くと い うこれまでの仕事のすすめ方を根本的に否定したものです。また、労使の信頼関係を も裏 切るものです。したがって、記者会見での知事発言を撤回することを求めます。

2 「包括外部監査」の報告や「府立病院あり方検討委員会」の意見でも期待されている 「 京都府の総合的なリハビリテーション施策」について、洛東病院が現在果たしている 役割 も含めて総合的に検討し、早急に策定するとともに、その施策の中に洛東病院のあ り方を 明確に位置づけることを求めます。
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