生活擁護や社会保障の充実など
「大企業の社会的責任はたせ」

2月11日にトヨタ包囲総行動

全労連が評議員会で05国民春闘方針決定
 
 全労連は1月27、28の両日、東京で評議員会を開き2005年春闘方針を決めました。春闘五十周年の歴史的節目を迎え、憲法改悪阻止のたたかいや企業の社会的責任(CSR)の追及、全労連議長名の統一要請書提出をなどを柱に、「だれでも一万円以上の賃金底上げ」「時給五十円以上引き上げ」をはじめとする要求を掲げて取り組みます。
 CSRの取り組みでは、日本を代表する大企業11社を人権、労働、環境の側面から評価した「企業通信簿」を活用していきます。労働者の働かせ方や法順守の状況を採点するチェックリストを配布、労働者に自社の採点を呼びかけています。
 2月11日には奥田碩日本経団連会長の出身企業であるトヨタ自動車(愛知県豊田市)への包囲行動を設定。1300人が参加した昨年を上回る規模をめざすとともに、各地の支店なども含めて全国的に行う計画を進めています。郵政民営化やNTTリストラ、公務の市場化テストの導入に反対する全国キャラバン行動も展開します。
 「統一要請書」は、各単組や分会が春闘要求書とともに提出します。職場の要求討議・確立を激励し、全労働者の共通要求にもとづく統一闘争を前進させることが目的です。企業内最賃協定の締結や非正規労働者の均等待遇、青年の雇用確保などを求める内容。未組織事業所への提出も追求し、目に見える全労連春闘をアピールしていきます。
 定率減税の縮減・廃止についても連合の反対などをふまえて、「小泉内閣との対決点として浮上させたい」(坂内三夫事務局長)と重視しています。
 熊谷金道議長はあいさつで、「史上最高益を上げながら賃上げを否定し、規制緩和や消費税大増税の推進など国の政治を牛耳っている財界・大企業を批判し、その社会的責任を追及する春闘にしよう」と訴えました。
 
〈討論から〉賃金底上げへ
 京都総評は「生活できる賃金という観点で賃上げを要求することが必要」と述べ、独自の要求根拠づくりに向け、最低・標準生計費を明らかにするプロジェクトを立ち上げたと報告。全国一般は今回初めて、組合員に対し税・社会保険料などを除いた手取り額が生活保護基準に達しているかどうかの調査をよびかけている。下回る場合は「これくらいの賃上げは当然」と主張していきます。
 医労連は社会的役割にふさわしい賃金水準をめざし、今春闘で「必ずベア獲得」を掲げたと紹介しました。

大企業の社会的責任追及
 愛労連は、増収増益を続けるトヨタ自動車が関連下請け企業に3割を超えるコストダウンを強いている現状を報告し、単価の引き上げと雇用確保の取り組みを強調しました。兵庫労連はトヨタ総行動で「商工業者団体との連携」を要望しました。

「統一要請書」の活用を
 神奈川労連は、県内16の大企業に要請書を提出、「派遣や請負など『間接雇用労働者』をターゲットに一斉に宣伝する」。建交労は要請書を活用し、請負など建設現場で働くさまざまな労働者の処遇改善をめざし、大手ゼネコンと交渉すると発言しました。国公労連は「全国1万の未組織事業所に要請する」という全建労(旧建設省の組合)の取り組みを報告しました。

改憲阻止の取り組み
 「昨年秋に県内170の全労連非加盟組合を訪問、連合加盟組合などから500人分以上の改憲反対署名が寄せられました。今後、これらの組合との共同を検討する」(山口県労連)、「憲法・教育基本法を生かすたたかいとして、3月26日に1万人規模の集会を開催」(全教)など、憲法改悪阻止に向けた各地の取り組みが報告されました。
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