Q&A国鉄がJRになったとき、
ローカル線をどんどん廃止した、
あれと同じことが…。
郵政民営化問題を考える |
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参議院で否決され、総選挙の一大争点に浮上した郵政民営化問題。小泉首相は郵政民営化を「改革の本丸」と位置づけ、今回の総選挙を「民営化の是非を問う選挙」と公言しています。それならそれで、私たちも、冷静に、何のために民営化が必要なのか、民営化が国民に与える影響について判断し、審判する必要があります。 郵便局が銀行みたいになってしまう Q:民営化で郵便局がどう変わる? A:銀行や生保と同じ「利益優先」の経営体質に! @「もうかるか、どうか」が最大の判断基準に。採算のとれない店舗は、過疎地でも都市部でも撤退・統廃合(6年間で4千の銀行店舗、3千6百の農漁協店舗が閉鎖)。民営化で、全国どこでも同じサービスが受けられる「郵便局ネットワーク(小学校の数とほぼ同じ)」がズダズダにされてしまいます。 A大銀行は、高額の送金手数料だけでなく、口座維持手数料(50万円以下の少額預金者は月630円など)を徴収しています。投資信託や変額年金保険など、元本割れもあるリスク商品の販売を経営戦略にしています。安心と安全のためにお金を預けたり、簡易保険をかけてきた郵便局が銀行みたいになったら、年金生活者をはじめ「金融弱者」がどんどん生まれます。 Q:公務員を減らし税金の節約になる? A:郵政事業に税金は一円も使われていない! もともと郵政事業は独立採算で運営されており、国民の税金は一円も使われていません。郵便局の職員は、国家公務員の身分ですが、その給料は税金では支払われていません。つまり民営化により、税金が節約されるわけではありません。郵政大臣も経験した小泉首相が知らないはずはないのですが…。 Q:民営化すれば税収が増える? A:郵政公社の方が国の財政に貢献! 郵政公社は利益の50%を国庫に納付することが決められています。これは国と地方を合わせた法人税率(約40%)より高く、政府の試算をもとに、郵政公社と民営化会社の納付(納税)額を比較すると、完全民営化時(2016年)で、郵政公社の方が6百億円近く多く国の財政に貢献することに。もちろん民営化会社が赤字になれば税金はゼロ、入ってきません。 Q公社のままでは経営はジリ貧? A公社なら黒字、民営化すれば赤字! 郵便・郵貯・簡保の3事業一体で経営が成り立っている郵政事業をわざわざバラバラにするのが分割・民営化。郵貯事業の利益は、政府試算でも完全民営化時(2016年度)に600億円の赤字に。一方、公社のままなら1、383億円の黒字に。 これは新たに誕生する郵貯銀行が郵便局会社(窓口会社)に払う「委託手数料」に消費税が課税されるのと、預金保険料の支払い義務が生じるから。将来消費税率があがれば赤字額もふくらみます。 そもそも、郵政民営化を執拗に要求してきたのは、日米の金融業界とアメリカ政府。郵政民営化の「基本方針」には、「民間と同一の競争条件」など、彼らの要求がおおむね盛り込まれています。340兆円という郵貯・簡保市場、それが日米金融機関の新たな「もうけの場」にされてしまいます。 郵政民営化は「強きを助け、弱きをくじく」本格的な「弱肉強食社会」の突破口となるだけ、私たち国民には何のメリットもないことがハッキリしています。9月11日には、国民の「きっぱりNO!」の審判をつきつけようではありませんか。 |
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