公平・平等な行政への転換を

京都府知事は偏向した労地労委委員の任命を取り消せ

6月2日に第4回口頭弁論、次回は9月8日

 地労委の労働者委員の不当な任命の取り消しと損害賠償を京都府知事と京都府に求めた裁判の第4回口頭弁論が、6月2日、京都地裁で開かれました。
 裁判は、「原告適格」をめぐってのやりとりが続いています。これは、改正された行政事件訴訟法に第9条2項が新設(4月1日施行)された事の理解にかかわってのものです。
 被告の京都府側は、この新設された項は「判例が示していた解釈手法を明文化」したものものと主張していますが、原告は新設された項はこれまでの判例よりも原告適格を拡大する意図を明確に打ち出したものであると、法律の改正作業に直接かかわった立法者の意思を明示し、明らかにしてきています。
 2日の公判では、被告からの原告側の訴状への反論が提出されていない状況の中、7月中に提出することが確認され、原告からは証人申請がされました。
 証人として、労組法の専門家、行政法の専門家、労働者委員経験者、労働委員候補者の岩橋氏、山田知事の5人が申請されました。 裁判はすでに進行しており、次期地労委の任命までに判決が出されようとしています。次回公判は、9月4日。
 京都地労委の任命は1989年以降、当時の荒巻知事によって連合委員独占が続いています。地労委は、労働組合への不当労働行為を救済する機関です。救済にかかわっては労働者の所属労働団体間で、利害が対立する場合もあることから労働者委員の選任に当たっては公平・平等に行われるのが当然です。
 そのため、労働省(旧)通達で当時の労働団体の系統別の利益を守ろうとしました。京都では、連合組合員が10万人、京都総評は7万人で構成員が近いことからも、すべての労働者委員を連合が独占していることは異常なことです。
 この異常さは、全国の状況を見ても明らかです。すでに東京、大阪、高知、和歌山、埼玉、長野、宮城、千葉で連合独占から全労連系の労働組合からも委員が選任されています。また、TLOも変更した選任を是正するよう繰り返し勧告しています。
 京都府は、1日も早く公平・平等な選任を行うべきです。
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