戦争の終わりをはじめよう

米・ANSWER・ターニー・ステアさんのメッセージ
 

 2月28日に行われた「STOP!イラク派兵・京都」が主催した交流会の中で、講演されたアメリカの反戦団体「インターナショナルANSWER」のターニー・ステアさんのお話から、概要を紹介します。

 2001年9月11日以降、ブッシュ政権はあの悲劇、あの恐怖感を使って世界を戦争に導き、そしてアメリカ国内にファシスト的な圧政を強いようとしています。そしてこの終わりなき戦争は、イギリスをパートナーとして始まったわけですが、今や日本の小泉首相が憲法に違反する自衛隊をイラクに派遣するという行為によって、イギリスのブレア首相の担っていた役割を担おうとしているのです。

人類史上かつてない規模での反戦運動

 しかし、アメリカのこうした野望は、また新しい世界的な反戦運動をも呼び覚ましました。「インターナショナルANSWER」は2001年9月11日のあの事件が起こった直後に、ブッシュ大統領の人種差別的な攻撃をやめさせなければならないと、気づいたアメリカの人々によって結成されました。9月29日の最初の集会にはワシントンDCに25万人の人々が集まりました。
 この連合は反人種差別・社会正義をめざす運動として、02年4月に大きな集会を開きました。03年1月18日にはイラク戦争に反対する集会として、ワシントンDCで50万人の人々が集まりました。以後もアメリカ軍のイラク占領に反対する集会を開き続けています。
 ベトナム戦争の時でさえ、これほどの規模の動きはありませんでした。帝国主義的な侵略に対して、これほど大きな運動が発生したというのは、人類の歴史上、かつてなかったことだと思います。
写真の中央左がターニーさん

急速に支持を失うブッシュ政権     

 03年5月には、ブッシュ大統領が空母の上で非常に傲慢な勝利宣言を行いました。そして、この日を起点にブッシュ政権は急速に支持率を失っています。03年10月には「今すぐ戦争をやめるように」とのスローガンを掲げ、10万人がワシントンDCで集会を開きました。この集会で特筆すべきことは、現役の軍人が数多く参加していたということです。ブッシュ政権への潜在的な反対の力が質的に大きくなりつつあるということを示していると思います。
 しかも、アメリカは全く予期していなかった反応をイラクで受けました。解放軍として歓迎されると予測していたところ、イラクの誇り高く愛国的な人々は、自分の国が占領されることに対して、あらゆる手段を使って抵抗したのです。
 日本でも、いまや憲法9条に反して、日本が自衛隊を派兵するという新しい段階に至った下で、新しい層、たとえば自衛官などの層が反戦運動に加わる可能性が広がっているのではないかと思います。
 「インターナショナルANSWER」では、次の世界規模での反戦運動を、3月20日に計画しています。この日は1年前、アメリカ軍がイラクに侵略して最初に爆撃を行った記念日です。世界規模での反戦運動にさらに大きな弾みがつくものと期待しています。
 アメリカ主導の新たな帝国主義とも言える動きに対する抗議運動は、アメリカではもちろん、全世界のあらゆる国々で起こっています。ともに連帯してとりくんでいきましょう。
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