シリーズ自治体再編

自治体と公務職場の変質の動きにどう立ち向かうか


シリーズA

地方独立行政法人公務員でなくなる!?
もうからないところは切り捨て!?



 「京都府行財政改革指針〜かいかくナビ」では、「地方独立行政法人法の施行に伴い、法の対象となる事業について、経営改善の視点に立って、法人化により、より一層の効率的・効果的な運営を行うことが可能な事業について」、独立行政法人化の検討を進めるとしています。
 04年度の組織改変に当たっても、導入を視野に入れて総務部に「府立大学推進プロジェクト」が、保健福祉部に「府立病院改革プロジェクト」設置されました。


 「分社化リストラ」の自治体版との批判も

 しかし、地方独立行政法人法(04年4月から施行)は、これまで自治体が担ってきた公的事業を組織ごと自治体から切り離して別組織にするもので、民間で猛威をふるっている「分社化リストラ」の自治体版との批判もあります。しかもそこで働く職員が、突然「非公務員」にされてしまうものでもあります。
 また法人の運営は、自治体の首長と理事長に権限が集中し、議会のチェツクもほとんどされません。そして、サービスの低下や利用者の負担増はおろか、不採算を理由に、首長の判断で、突然廃止されてしまうおそれもあるという、住民にとっても職員にとっても問題の多い制度です。(
写真は、2月28日開催された府職労学習会)

 府県段階では大学が先行する形

 都道府県段階では、大学、病院、試験研究機関が当面の対象となり、現時点では大学が先行する形となっています。たとえば大阪府ですでに提案されている内容は、教員は法人職員に、看護師・司書・現業職員は原則として法人職員に、やむを得ない場合は派遣で、行政職(事務・技術)は派遣でとの提案がされていますし、病院関係でも独立行政法人をめざしています。が一方、千葉、神奈川、愛知の各県では03年の9月議会で病院事業に係る公営企業法の全部適用の検討を各知事が答弁しています。

 住民に依拠する姿勢に学ぶべき

 神奈川県のチームが作成した報告書(※「平成14年度部局共同研究チーム報告書/「神奈川県における独立行政法人制度」)では、各種の検討と試算をふまえたうえで、県機関の地方独立行政法人化への適用について「人事・組織」「予算・経費」「目標設定と評価」「透明性の確保」「総合」の区分ごとに、メリット・デメリットを明らかにしています。そして、「制度導入の適否の判断等については、今後の部局の検討に委ねる」としています。
 その内容は別にしても、職員の議論への参加を保障し、その詳細な中身を住民にオープンにすることで何よりも住民の判断に依拠しようとする姿勢は、大いに学ぶ必要があるのではないでしょうか。
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