宗派超え「宗教者九条の和」発足

「憲法の意義訴えたい」と要職者55人が呼びかけ

 「九条の会」のアピールに賛同し、宗教界のすみずみに広げようという「宗教者九条の和」が4月15日発足し、呼びかけ人の村中祐生大正大学元学長(天台宗慈照院住職)らが京都市内で記者会見しました。
 呼びかけ人は仏教やキリスト教など諸宗教の教団要職者ら55人。会見では「憲法第九条を『輝かせたい』と願う人々とその意義を語り合い、思いを伝えたい」など、5つの「宗教者九条の和の願い」を発表しました。
 今後、作家の大江健三郎さんら9人の著名人が呼びかけた「九条の会」アピールへの賛同を宗教者に広げるとともに、宗教者が語り合うシンポジウムなどを開くことにしています。
 村中さんは、宗教・信条の違いはあっても宗教者にとっての最大の願いは世界平和以外にないと指摘。その上で、戦争放棄を掲げた憲法九条の意義は非常に重要だと述べ、「平和のもとである憲法九条を宗教者が心を合わせて守っていきたい」と話しました。
 名称を「会」ではなく、「和」としたことについて村中さんは「和には調和や融和という意味がある。宗派の違いを超えて『九条の会』のアピールに賛同して、平和を願う人々がつながっていくという意味を込めた」と述べ、神道などにも広げたいとしています。
 日本バプテスト連盟の平良仁志理事長は、憲法前文や九条はキリスト教の教義に合致したものだと述べ、「日本は九条を掲げて世界平和を訴えるべきだ」と強調しました。
 呼びかけ人世話人は村中さんのほか、藤井泰雄・金光教平和活動センター理事長、浦悟郎・カトリック大阪教区補佐司教、宮城泰年・本山修験宗宗務総長、山本俊正・日本キリスト教協議会総幹事の各氏です。
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