障害の重い人ほど負担も大

参議院で大詰めを迎えている「自立支援」法案

「障害者自立支援法案」を世論の力で廃案に

 障害者自立支援法案は、障害者の福祉サービスに1割の定率負担を導入するといものです。衆院を通過し、いま参院に回されています。障害者福祉に「応益負担」ルールを導入し、年間700億円ものお金を障害者から収奪する計画です。障害者からは「生活が破壊される」などの悲鳴が出されています。
 「応益負担」というのは、受けたサービスの量に応じて、お金を払ってもらう考えです。より多くのサービスが必要な重度障害者ほど負担が重くなります。これでは福祉とはいえません。働く機会が少なく、所得の低い障害者に「応益負担」を課すことは、障害者の生活破壊につながります。。 具体的には、小規模作業所や通所授産施設は、障害者が社会参加する大切な場で、そこでの作業を通じた月1万円程度の工賃は、障害者の生きる励みにもなっています。ところが、応益負担が導入されると、こうした作業所に通うことにも利用料が必要になり、その額が工賃よりも高くなる可能性があります。
 法案はこのほか、障害者の公費負担医療にも大幅な負担増を求めています。障害者を医療機関から遠ざけるものです。「自立支援」だなんてとんでもない。
 今、参議院で審議されようとしていますが、世論の広がりでは廃案する条件も生まれています。抗議を集中しましょう。

 京都自治労連は、次の要請書を送付する運動を進めています。
 
 
 要請書

 今国会に提出されている「障害者自立支援法案」は、7月15日に与党修正案および附帯決議と合わせて衆議院で可決され、現在参議院での審議が予定されています。
 しかしこの法案は、あまりに拙速な提案であり、とりわけ「定率負担・自己負担」を障害者福祉に持ちこむことへの不安の声が広がる中、こうした声を無視して衆議院で採決されたことに対して、大きな批判が広がっています。
 これは、5月12日に9000人、7月5日には1万1000人の障害者・家族・関係者が全国から東京に集い、切実な実態と反対の意思を表明したことからも明らかです。
 一部に、こうした生活者の声を無視して、「財政問題から法案成立」を願う声があるとの話もありますが、まさにこうした「負担」が障害者・家族に押しつけられる法案の成立こそが、「障害者の自立の可能性を奪い」「未曾有の生活上の大混乱」を生じさせる結果となってしまいます。
 こうした切実な現状をご理解いただきたく、以下の要望を緊急に行うものであります。

【要望】
○「障害者自立支援法案」の今国会での拙速な採決をやめて下さい。

 「障害者自立支援法案」は、衆議院解散で廃案になりました。
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