日本のストライキ史に残る

プロ野球労組のたたかい

 ○…日本ストライキ史に新たなべージが加わりました。プロ野球70年の歴史の中で初のストが行われ、大勝利を収めました。ファン・労働界が一致して支援し、読売を除く新聞、テレビがストを好意的に報じた闘いは労働運動史でも珍しい。
 ○…ストの新鮮さと威力をみせつけました。「たかが選手」と暴論を吐いた巨人の渡辺オーナーを辞任させる一因となり、団体交渉を含め労使対等の関係を獲得しました。球団削減に固執する一部経営側を翻意させ、新規参入による12球団の維持で合意した。ドラフト改革協議などプロ野球発展への新たな道もつくった。
 ○…ファンはストに踏み切った選手を圧倒的に支持しました。スポーツ紙のアンケートでは、スト突入に79%が賛成し、85%が原因は経営側にあると回答。選手はサイン会などでファンサービスに努め、スト明けには六球場に20万人を超すフアンが詰めかけました。署名も短期に120万人以上となり、損害賠償を画策していた球団側の不当な脅しが糾弾されました。 ○…全労連も中央、地方で署名などを訴え、支持を広げました。
 ○…国民春闘最盛期の74年には309万人がストを行い、32・9%の賃上げと年金改善を獲得し、国民から支持された歴史をもっています。最近は02年のスト参加者が6万人と激減。企業合併やリストラ、賃金低下に対して、改めてストのインパクトを考えたい。
 ○…日本で初めてストをしたのは山梨県の雨宮製糸の工女100余人で、寺に3日間立てこもり勝利した。118年後、野球選手752人が初のストで勝利した。暑い秋のプロ野球労組スト。闘う労働運動の原点をかみしめたい。〈連合通信〉