由良川が氾濫、2階まで浸水、大変な被害

台風23号の災害復旧に緊急ボランティア

みんな泥にまみれになりながら奮闘

 台風23号は京都府北部を中心に死者15人を出すなどたいへんな被害をもたらしました。京都府の発表では、がけ崩れや道路の損壊などは約3500箇所・320億円、農林関係で120億円にも及んでいます。鳥インフルエンザで発揮した「自治体労働者魂」が、地域の住民と一体となって発揮されました。

 自然の脅威に唖然
 由良川をはさんで民家が建ち並ぶ大江町では、2人の死者がでており、429棟が床上下浸水、2階まで泥水が浸水した民家も。大江町役場の1階が机の上辺りまで浸水、役場の周辺は泥で覆われ、路面のアスファルトが見えない状態でした。
 空き地には、浸水でだめになった畳や家財道具があふれ、被害を受けた家の前にも山と積まれています。
 川は水害の爪あとがひどく、ところどころ堤防が切れています。

 泥まみれの奮闘

 復旧作業は、家族総出、親戚の人たちが支援に来るところ、お年寄りだけで思うままに復旧作業ができないところなど困難に直面。大江町役場の裏には、夜久野町や三和町、綾部市などからの応援も受け社会福祉協議会がボランティアの窓口を開設。
 府職労は10月23日・24日の2日間、大江町で緊急の水害復旧ボランティア活動を展開。バスで大江町に着くと、由良川の増水で押しつぶされた民家、道路一面に溜まった泥、田んぼ一面も泥で覆われています。救いは稲刈りが終わっていることですが、河川敷の野菜はほぼ全滅に近い状態でした。

 災害対策への不安解消を

 2階まで浸水したTさんは「あっという間の浸水だった。体だけ逃げたが、店のタバコは10万円分ほどの被害が出た。住めるようになるのは、正月ぐらいまでかかるかなー」と肩を落としていました。
 お年寄りだけのところでは、ボランティアに感謝しながら「このまま床板を上げたままでいい。畳を新しくしたりする気力がない。浸水しなかった部屋で暮らす」と精神的ケアが求められる状態も。
 家々からは家財道具や使い物にならなくなった畳、床板などがつまれ、道路は運搬するトラクターが行き交っていました。
 ボランティア活動は2日間で40人が参加、水につかり使用不能になった畳の運び出し、床下に溜まった泥の搬出、家財道具の持ち出し、床板の泥落しなど全力をあげました。
 なれないスコップや鍬を持った作業はきつく、服は泥まみれ、それでも休みもとらず復旧作業を行いました。この作業が2日間つづけられました。
 参加者は「自然はやはりすごい。改めて京都府の災害対策が問われる」「行政への支援の期待を感じた」と語っています。

 11251人が復旧活動に

 京都自治労連は、宮津市と舞鶴市にボランティアを派遣。宮津市では、世屋高原など車が通れないほどの被害を受けた部落に出かけ、土砂の取り除き、家具の持ち出しなど復旧作業に当たりました。
 舞鶴では、由良川右岸で畑の復旧作業。ビニールハウスが全壊し、大きな被害を受けた地域で畑に残されたビニールやトタン、泥など取り除く作業を行いました。府職労から、京都自治労連のボランティア活動に13人が参加しました。
 ボランティア活動では、社会福祉協議会の活動にも組合員が多数参加、府当局の発表では、公務も含め11251人の職員が災害復旧に参加、鳥インフルエンザにつづき、「自治体労働者魂」を発揮。

 府民や市町村の要望聞け

 府職労執行部は10月26日、佐井委員長を中心に2班に別れ被害の実態調査と災害復旧に当たっている土木職場や振興局・保健所などの職員を激励することをかねて北部の職場を訪問。
 京都府当局には、2回にわたり申し入れを行いました。特に2回目の申し入れでは「府民の要望に応えること」「市町村の要請に応え他の市町村への応援要請、府としての調整」「職員の健康管理」「被災職員の暮らしの復旧についての配慮」など求めました。
 これから、土砂崩れの復旧、道路の修復、農地の回復など激務が予想されます。各支部や部会でも今後の復旧作業の計画と応援体制、職員の健康管理・労働条件の確保などを申し入れています。
 いま府職労は、京都府北部の台風23号による被害と新潟中越地震の被災者救援カンパにとりくんでいます。

安心・安全を確保・被災者救援へ全力

台風23号災害で府職労が緊急申入れ

 台風23号は、京都府北部一円にも甚大な被害をもたらしました。府民の安心・安全の確保、被災者救援が急がれます。府職労は、21日には人事当局に対し緊急申し入れを行い、23日・24日に福知山を中心に救援ボランティア活動を行いました。
@被害状況の把握と復旧等の対応に全力をあげること。対応に必要な人員確保、支援体制を講ずること。
A被災者への適切かつ迅速な援助を行うなど、府民の安心・安全の確保、被災者支援のため、京都府の全組織をあげて対処すること。
B各土木事務所など、関係する職員の健康管理、労働条件については十分配慮するとともに、必要な対応をはかること。必要となる臨時的な支援体制などについては、鳥インフルエンザの時の教訓にも学んで、全職員へのていねいな状況・方針説明や健康管理にも十分な配慮を行うこと。
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