雇用確保・安定化、賃金底上げへ

地域から共同を発展させることがカギ

全労連が地域運動交流集会

 全労連は11月10日から3日間、静岡県熱海市内で05年地域運動交流集会を開きました。
 憲法改悪阻止、組織拡大、地域再生について、職場や地域での取り組みを交流、討論するのが目的。集会ではパートや派遣など不安定雇用労働者の組織化に向けた本格的な働きかけをスタートさせた、との発言が相次ぎましだ。
 全労連の地域組織は全国に469あり、専従者を配置しているのはそのうち約3割。熊谷金道議長は不安定雇用労働者の賃金・労働条件の底上げや組織化にとって地域労連の役割が極めて重要であるとし、その強化のため各産別組織に対して「人的にも財政的にも地域労連への結集を明確に位置づけること」を提起しました。

●積極的な地域運動を
 組織拡大の分科会で寺間誠治組織局長は、全労連の今年上半期の組織拡大数が約2万9000人に上ったことを報告したうえで、「産業再編が進むなか、産別闘争は地域運動と結合することなしには前進が困難。企業主義克服のためにも地域組織への結集強化がカギとなっている」とし、単産が地域運動に積極的にかかわるよう呼びかけました。 討論では、静岡県の富士地域労連が「市の施設を借りて、労働相談を毎週実施している。『派遣先』から施設の外で食事をするように言われたと訴えてきた請負労働者が組合加入した。配転させられたが仲間に励まされ待遇改善を求めて頑張っている」と報告しました。
 京都の乙訓地労協は「大手電機メーカーで働く派遣労働者を組織した」と報告。雇い止めの恐れがあるなかで、職場でどう仲間を増やす活動に取り組むかが課題だ、と述べました。

●役割大きい地域労組
 集会では、誰でも加入できる個人加盟制のローカルユニオン(地域労組)を全国すべての地域組織に確立することが初めて提起されました。
 大阪府内の地域労組の協議体・大阪地域労組(約1100人)は、自らの役割について「おぼれる人がすがるわらのような存在。組合に入って争議を解決した人は、次の人のために活動する。地域労組がある地域労連と、ない労連では、組合員数や財政面で明らかな違いがあらわれている」と述べました。
 公務リストラとのかかわりでは大阪自治労連・公務公共一般が、民営化計画が進められている門真市の保育所でアルバイト保育士の九割を組織した取り組みを紹介。
 全教は「臨時教員で採用試験の受験資格年齢を過ぎた『プロ臨』と呼ばれる人が増えている。従来は臨時教員の組合員向けには受験指導を中心にした取り組みをしてきたが、権利保障のための運動や組織のあり方検討が必要となっている」と報告しました。
 一方、「官公労の中には県組織に加入しても地域労連未加盟の組合もある。そんなことでどうして公務リストラへの反撃に協力できるのか」との苦言もありました。


●オルグに助成金
 東京労連は組合づくりにかかったオルグ費用について助成金を支給する制度を今年四月から始めました。全労連基金を活用したもので、財政的に専従オルグを配置できない地域労連から「組織化の起爆剤になる」と喜ばれていると報告しました。
 助成対象は東京労連にオルグとして登録した組合活動家85人で、3地域8単産が推薦しました。労働相談や使用者との交渉に対し、1回3000円と交通費分を加盟組織に助成する仕組み。10月末までに約500万円を支給しています。

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