憲法守る横のつながりを大切に |
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加藤周一さんら「九条の会」呼びかけ人が会見 |
「九条の会」が4月23日開いた記者会見に、9人の呼びかけ人のうち7人が出席、要旨次のように語りました。 ●横の連絡を/評論家・加藤周一さん 日本の市民運動には小さな核やグループがたくさんある。憲法についてもたくさんあるけれど、横の連絡はなかった。横の連絡をつくり全体を見通すことができるようにするため、「九条の会」をつくった。 各地の講演会には予想以上に多くの人たちが集まった。今までと同じ方針で今後も活動する。私たちが計画を立ててどうかするというより、自発的に日本社会全体でいろいろな横の連絡がつけられるように情報を流したい。 ●勇気もらった/作家・澤地久枝さん この一年間、各地に行って話をしました。憲法が危ないという状況のなかで、最大公約数として「九条を守ろう」とまとまっていきたいという機運が、多くの人のなかに広がっているのを肌身に感じました。 だめだだめだと言われる日本で、(九条を守りたいという思いが)地下水のようにあることで、私は多くの勇気をもらいました。 ●戦争してはいけない/元首相夫人・三木睦子さん 私は戦争の悲惨さを知っている一人です。子どもを育てながら戦争をくぐり抜けてきました。日本の総理大臣は戦争を知らない世代だから、勝手なことが言えるのです。 どんな理屈があっても戦争してはいけないのです。これから世の中を背負う人たちが戦争をしないように何とか説いていかなければと考えています。 ●憲法の精神守る思い/作家・大江健三郎さん 憲法九条を守ろうと考えている人たちが全国にいます。多くの声が集まっていることを示す場所に「九条の会」がなればいいということで、萃点(すいてん=人などが集まる場所)になりたいと、昨年の記者会見で申し上げました。 この1、2年、憲法論議が始まると、憲法の精神を日本人は守っていこうとしていることが明らかになってきました。このことを自然に表現しているのが「九条の会」だと思います。 ●改憲に反対する風/作家・小田実さん 全国に話に行ったが、改憲に反対する風が吹きはじめたと実感している。どの集会にも数千人の人が集まり、若い人も増えている。 高知では自民党から共産党まで一緒にやっている。これはすごいこと。しがらみを吹っ飛ばしたのが「九条の会」だ。こういう動きがあちこちにできたら、改憲はだめになるだろう。 ●鉱脈に当たった/憲法研究者・奥平康弘さん 「九条の会」は思わぬ効果を発揮しました。各地でびっくりするくらいの効果があり、いろいろな感動、物語が展開しました。これは私にとって新鮮な驚きだったし、影響も大きい。「九条の会」が動きだして、鉱脈にぶつかったのではないかと思います。 私は研究者なので九条の意味について勉強しなければなりません。「九条の会」よびかけ人として、特に九条二項をいじってはだめなんだということを勉強していく責任があります。 ●会に加わってよかった/哲学者・鶴見俊輔さん 私は70年前に小学校を出たのですが、6年間同じ教室でつきあい、その後は会ったことのない女の人が突然、はがきをくれました。 そのはがきには「蟇(ひきがえる) 九条の会 よくぞ友」と書いてありました。このはがきを友だちからもらって、「九条の会」に加わってよかったとおもいました。「連合通信」 |
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