京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金 料理 大学の法人化
府職労ニュース

初任給を中心に引き上げ
子の扶養手当500円 勤勉手当0.05月アップ

07京都府人事委員会勧告

                職員の「生活改善」要求には応えず
 京都府人事委員会は10月12日、「職員の給与等に関する報告及び勧告」を府議会議長と知事に提出しました。その最大の特徴は、初任給を中心とした若年層給与の改善により月例給与が6年ぶりに、さらに扶養手当や一時金の改善により年間給与が9年ぶりに引き上げられたものの、昨年の官民給与比較方法における比較対象企業規模見直しを踏襲した結果、引き上げ幅が極めて低水準に抑制されたことです。

官民較差は0.13% 初任給中心に若年層の給与改定、子等の扶養手当を500円、勤勉手当を0.05月引き上げ
 その内容は、官民較差が0.13%・平均562円(管理職員の給料月額カット措置後の較差は0.35%・1,486円)、月例給については1〜3級を改善(初任給2,200円増)、一時金については勤勉手当を0.05月引き上げ4.50月に、子等に係る扶養手当支給月額を500円引き上げ6,500円になどである。
 私たちはこの間、自治労連・公務労組連絡会に結集し、政府の「総人件費削減」方針のもとで「貧困と格差」の是正を掲げ、最低賃金の大幅改善を求めてたたかい、京都では14円の最賃引き上げが実現しました。職場では、公務員賃金署名や全組合員団結署名、当局交渉や人事委員会交渉等を行ってきました。低水準とは言え、係員(25歳)のモデルで約47,000円の年収増など今回のプラス勧告は、官民共同のたたかいを力に切り開いたものです。

比較対象企業規模引き下げを踏襲、公民における給与比較の対応関係を見直し
「生活改善につながる勧告」の要求に背を向けた勧告 
 一方、強い反対にもかかわらず、昨年強行された官民給与比較方法における比較対象企業規模の100人以上から50人以上への引き下げが踏襲されました。また、国からの指導を背景に、公民給与における対応関係を見直したこと、国では原資の一部を使って地域手当の「先取り改定」が勧告されたが、本勧告では較差が僅少となったため全職員に及ぶ改善に至らなかったことは問題です。
 「給与構造改革」による給料水準引き下げと今年度からの地域手当の引き下げにより、職員のくらしはいっそう厳しい状態にあり、賃金抑制勧告は、「生活改善につながる勧告」を求める職員の思いに背を向けた不当なものだと言わざるを得ません。 
 政府は「骨太方針2007」では、2.6兆円を越える公務員の「総人件費の削減」を打ち出した。07府人勧は、そうした政府の総人件費抑制攻撃に追随するものであり、「労働基本権制約の代償機関」としての役割を放棄したものです。
 能力・成果主義賃金にかかわっては、「引き続き、職務・職責や勤務実績に応じた処遇を推進していく必要がある」としつつも、国とは異なった言及がされている。一時金について国勧告では、勤勉手当の「支給月数を0.05月分引き上げ、…本年度については12月期の勤勉手当を引き上げ、平成20年度以降においては6月期及び12月期の勤勉手当が均等になるよう配分することとする」とし、さらに引き上げ分の一部を「優秀」以上の者の成績率にあて、「良好」(標準)の者との成績率の差の拡大を図ることとされたが、本勧告では前段の部分だけで、成績率の差の拡大については触れられなかった。また「新たな人事評価制度」について、国人勧ではこれを導入して人事・給与に積極的に活用する姿勢が明らかにされたが、本勧告では、この問題について具体的な言及は差し控えられました。

労働時間短縮=管理職の業務管理、メンタルヘルス及び生活習慣病対策、育児等のための休暇制度取得の職場環境や勤務条件の整備を強調
 職員の勤務条件にかかわっては、われわれのたたかいを反映し、いくつかの改善に向けての言及もされています。
@ 総実勤務時間の短縮については、「本庁を中心に特定の職場においては、なお時間外勤務が長時間に及ぶ実態」があるとして、特に、「管理職員が業務管理を職責の一つであることを認識し、効率的な業務運営の実践が必要」とされた。
A 職員の健康管理については、「本府における心身の故障による休職者数は、依然として増加傾向にあり、特に精神・行動の障害による者は、なおも全体の6割弱をしめる」として、引き続き、「メンタルヘルス対策の推進が必要」とされた。
B 公務における男女共同参画社会づくりについては、「男女を問わず公務と子育ての両立ができる職場環境づくりへの効果的な取組が必要」「育児等のための休暇や休業の制度を利用しやすい職場環境及び勤務条件の整備に努める必要がある」「女性職員の職域の拡大等による更なる登用の実現が重要」とされた。

所定労働時間の短縮の勧告を先送りし、所要の調査・検討を勧告   
 一方、勤務時間の見直しについては、「府内の民間企業における平均所定労働時間は、職員の勤務時間より1日あたり15分程度、1週間当たり1時間5分程度短くなっている」としながらも、来年に先送りした国と同様に、「民間の情勢及び国・他の地方公共団体の動向も踏まえ、所要の調査・検討を進めていく必要がある」として先送りにしたことは問題です。

非常勤職員の勤務条件の改善について、人事委員会としてはじめて言及
 非常勤職員の勤務条件については、人事院の検討状況を注視しつつ、「今後、非常勤職員の適切な処遇を確保していくために必要とされる検討を行うことが求められる」として、初めて非常勤職員の勤務条件改善にむけた言及がされました。人事委員会は、人事委員の議論のなかでも臨時・非常勤職員の処遇改善についての意見が出されたと説明しています。
 府職労は、今年「府庁に働く嘱託・臨時職員のみなさんへのアンケート」や学習会・懇談会にとりくみ、夏期交渉では、嘱託・臨時職員のみなさんの切実な要求にもとづき勤務条件改善を求めてきた。今回の内容は、こうしたたたかいの到達点であり、年末確定闘争において具体的な要求前進を求めるものです。  

府庁に働くすべての労働者の勤務条件の改善にむけ、全末確定闘争に全力をあげます
 いま、「府政改革」が強引にすすめられており、賃金・労働条件・仕事のすすめ方・組織のあり方など様々な分野で、要求や不安が渦巻いている。府職労は、府庁に働く全ての労働者の勤務条件の改善をはじめ職場要求の前進をめざして年末確定闘争に全力をあげるとともに、「貧困と格差」の是正、憲法・地方自治を守るために運動を強めます。


府職労ニュースインデックスへ