そのA医療・社会保障

高齢者狙い撃つ医療費負担増

 国民生活直撃の政策が数多く盛り込まれているのも06年度予算の特徴です。
 医療については、高齢者を狙い撃ちにした患者負担増です。70歳以上で一定以上の所得(夫婦で年収620万円)がある高齢者の窓口負担は3割(現行2割)に引き上げられます。療養病床に入院する高齢者の食費や居住費は介護保険と同様自己負担に。06年10月実施が予定されています。
 
 年金については、物価下落を理由に給付額を0・2%引き下げます。厚生年金の標準的な年金額(現行月額23万3300円)の場合、月約500円が削られることに。03年度、04年度に続く3回目の引き下げです。

 一方、基礎年金国庫負担割合については、2200億円を積み上げて現行の34・4%を35・8%に。09年度までに国庫負担割合を50%に引き上げる計画です。 国庫負担50%は、政府の国民に対する約束。実施は当然ですが、政府はその条件として「安定した財源を確保する税制の抜本的な改革」を掲げています。消費税引き上げを念頭に置いたものです。自民党の財政改革研究会は昨年、消費税を福祉目的税化して引き上げる提起を行っています。
 しかし、一昨年の年金改革での保険料引き上げと給付下げが「抜本改革」だったはず。いまになって、年金財政を口実にした「消費税率引き上げ」は、国民を欺くものです。

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