このままでは安心して子どもが産めない

弥栄病院の産科が無くなる!?

京都府と京丹後市は医師確保の努力を
 
 京丹後市立弥栄病院で新規分娩の受け入れが困難となっている問題で、市民の間には「このままでは安心して子どもが生めない町になってしまう」との心配の声が広がっています。
 京丹後市職労、京都自治労連、京都医労連などは合同で、医師の確保へ緊急の申し入れを行いました。
 現在、京丹後市内で出産対応可能な施設は、丹後ふるさと病院と市立弥栄病院の2施設です。ところが市立弥栄病院では、産婦人科医の退職予定で、今年4月からの分娩については、予約を受け入れることができなくなったとされています。

このままでは半数の妊婦が地元で出産できない
 
 ふるさと病院では、月に20件までは分娩対応可能とされていますが、京丹後市の年間の分娩件数は約500件であり、このままでは半数以上の妊婦が地元での出産が困難になります。
 ふるさと病院で対応しきれない妊婦は、遠方への通院や入院を余儀なくされ、精神的にも物理的にも多大の負担を強いられるだけでなく、長時間の移動で母子のいのちと健康を危機にもさらすことになりかねません。このままでは、京丹後市は「安心して子どもが生めない町」になってしまいます。
 安心して子どもを産み育てることは、これから出産・育児へと向かう若い世代の切実な願いであり、少子高齢化と人口減少がすすむなか、活力にあふれた地域づくりを願う市民みんなの願いです。
 
安心・安全の医療の確立を

 こうした事態が明らかになる中で、京都自治労連と京丹後市職労は、京都医労連や丹後ふるさと病院労組などと「産科医療問題・関係労組懇談会」を開催。「安心して、安全に出産することは、全ての母子に等しく保障されなければならない権利であり、その権利保障に責任を持つことは、地方自治体の重要な責務」「医師不足に対する府の対応は他県と比べても遅れている」などとの意見が出されました。
 19日には、京丹後市長と京都府丹後広域振興局に要請書を提出しました。弥栄病院の医師の確保、妊産婦と新生児のいのちと健康を守る体制の整備、全ての市民に等しく、安全・安心の医療を充分に保障できるよう医師確保等の医療供給体制の整備を図ることを求めました。【京都自治労連より】

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