「市民病院をなくさないで」

突然の縮小・「委託」発表に怒り

「市民の会」結成し直接請求署名運動

  市民や職員には「寝耳に水」

 「市民病院は、療養型医療を中心に、リハビリ、透析などの回復期・慢性期医療を継続・拡充し、加佐診療所とともに民間医療法人にその運営を委託します。脳神経外科は舞鶴共済病院に移ります。歯科口腔外科・免疫膠原病外来・腎臓外来についても共済病院と調整中です。上記以外の診療科・専門外来等は原則なくなりますのでよろしくお願い申し上げます」1月14日、突然の院内告知です。
 翌日の新聞各紙には「舞鶴市民病院、運営を民間委託へ」「今春から療養型病院に転換方針」の見出しが市民を驚かせました。
(写真は、舞鶴市民病院の縮小・委託に反対する署名行動)

   
洛東病院の廃止が「口火」に

 これまで、舞鶴市長は「医師確保に一定の目途がついた」(05年9月市議会)とし、12月議会では「医師確保が困難」と一転市ながらも、あくまで自主再建に向けた姿勢がうかがえました。それだけに、今回の市長発表は病院関係者や市民にとっては「寝耳の水」。議会にも一切相談されいません。
 また、指定管理者制度の趣旨からいえば、民間に管理委託する場合、公募・選定手続きが必要です。この手続きもなく、すでに「京都武田病院」の指定が公表されました。制度からいっても根本的な問題があります。
 いま京都北部は、舞鶴病院の縮小・民間(武田病院)委託、大江病院の民営化(NPO法人)、弥栄病院の産科廃止、久美浜病院の小児科廃止など、医師確保ができないことを主因に患者切捨ての動きが強まっています。南部でも、精華町立国保病院が「京都武田病院」に指定管理者委託されることになりました。 この背景には小泉「構造改革」がありますが、公立病院の廃止では昨年、府内のトップを切って府立洛東病院が廃止されました。「効率化」を理由に公立病院が安易に「廃止」「縮小」「委託」される事態がつづいていますが、洛東病院の廃止がその口火を切ったことになります。
 
 
  04年の内科医集団退職の真相は
 

 舞鶴市民病院労組は、 緊急に組合集会を開催。20名を超える組合員が参加、医療労働者としての誇りも、人生設計も、日々の暮らしも打ち砕く市長方針を許せないと怒りと不安が次々と出されました。組合のよびかけに答えて、16日の1日だけで新たに16名が組合に加入、すでに30名を超える組合員が加入しました。
 病院労働組合は16日に、早速組み合い見解を発表。「ことの発端は04年の内科医集団退職ですが、この原因について今日まで真相は明らかにされていない。市長や病院長の責任や真相はうやむやのままです。
 療養型となれば、看護士はいまの半分で基準に足り、放射線・検査・薬剤などはほとんど余剰人員となるでしょう。市長は、『今の医療水準を維持する』とのべているが、市民には何一つ責任を持たない体制にするというのが今回の発表内容です。市民の財産であり、地域住民のいのちと健康を支える『トリデ』である病院のあり方に関して、首長の独断で決定することがいかに異常で乱暴なことかは明らかです。患者や家族のことなどお構いなしのひどいやり方は絶対認められません」と厳しく批判し、「市民病院の再建と拡充をはかるよう」強く求めました。
 職員からは「雇用もくらしも、仕事に対する誇りも、何もかも破壊する今回の市長の方針発表」「無責任にも医師確保を『困難』だからと何の相談もなく勝手に放棄し、私たちのくらしと人生に大混乱を持ち込んできた」と、怒りがまきおこっています。
 
 
  舞鶴市職労も緊急の申し入れ

 舞鶴市職労も18日、江守舞鶴市長と病院事業管理者の本田氏に緊急の申し入れを行ないました。
 申し入れでは、市民の命と健康を守ってきたかけがえのない市民病院を、市民に説明が無いまま解体・民営化しようとしている。病院で働く職員の生活基盤を根底から覆す問題であるにもかかわらず、職員にも、労働組合にも事前の話し合いや説明が一切ないまま決定し、強行しようとしていると主張。次のことを要求しました。
 @患者・住民のいのちと健康を守る自治体の責任として、市民病院の解体・民営化について白紙撤回すること、A患者・住民・職員に対する説明責任を果たすこと、B病院職員の雇用と生活を守ること。労働条件については労働組合との誠実な交渉を行い、労使合意で決定すること。
 
  
  地元医師会が「延期」を申し入れ

 いま縮小・民営化に反対する「市民の会」が結成され、直接請求署名活動がとりくまれています。また、舞鶴医師会は2日、市を含めて委託先と同医師会などによる地域医療体制についての協議の場を設けることや、実施時期の延期などを求める要望書を江守市長に提出しています。

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