ひびけ憲法9条守る声

格差拡大の小泉「構造改革」ノー

 働く者の祭典、メーデーが近づきました。日本では戦前から数えて77回目です。憲法改悪の動きが強まり、国民投票条例が国会提案されようとしている中でのメーデーです。
 小泉「構造改革」によって、所得格差が拡大し、社会の階層化が懸念される中で開催されます。構造改革によって、ごく一部の「勝ち組」を優遇し、大量の「負け組」を生み出す小泉政治にレッドカードを突きつけるチャンスです。
 いま、多くの職場では増加する非正規労働や成果主義賃金の導入などにより、働く者同士の助け合いの輪が崩されつつあります。一方で働き過ぎによる過労死や経済苦による自殺も後を絶ちません。
 働きやすい職場、人間らしく生きられる社会を作るには、労働者が力を合わせることが大切。メーデーはそうした労働者の連帯を確認しあう大切な日です。この団結の力で、働く者に背を向ける冷たい政治を変えていきましょう。
 全労連などによる第77 回メーデーは5月1日、47都道府県で行われます。メーンスローガンは@ストップ戦争する国づくり!A大企業は社会的責任を果たせ!B安心して暮らせる社会を実現しよう!──が柱。国会論議の焦点となっている憲法改悪のための国民投票法反対、消費税引き上げ反対などを訴えます。 京都総評などが中心になってつくる京都メーデー実行委員会は、二条城前をはじめ府内13個所で集会、デモを行います。
 仲間との連帯を確かめ合うとともに、平和や人権の大切さを世の中にアピールする一大イベントでもあります。大増税や医療改悪など暮らしを直撃する小泉悪政を放置したら、春闘での努力も水の泡。まともな政治を今こそ、の声を大きくしたいものです。

●平和と暮らし守れ
 小泉内閣は、定率減税の半減・廃止に続いてサラリーマン大増税をもくろんでいます。今国会では医療制度の改悪法案を提出、働く者への「負担増」路線を突き進んでいます。
 在日米軍基地の再編では米国の言いなりで、反対する住民の声には聞く耳持たず。「戦争のできる国」をめざす改憲路線も強めています。
 平和と暮らしを脅かす小泉政治はもうごめん──悪政打倒にむけ、働く者と広範な国民との団結が求められています。政府が「若者の解雇自由」を打ち出したフランスでは、学生と労働者が大規模なデモやストを実施。タイでも仏教界を含む幅広い国民が首相退陣を実現しています。国民いじめの政治に未来はありません。

●原点は8時間労働制
 働く者として、見過ごせない動きもでています。小泉政府と経済界が労働基準法の労働時間ルールを外す仕組み(新適用除外制度)をつくろうとしています。 府庁の職場が不夜城といわれて久しい。家族からも悲痛な声が寄せられています。「子どもが毎日深夜にしかかえって来ません。過労で健康を壊さないか心配です」「夫も府の職員ですが、毎日夜中にならないと帰ってきません。超勤手当はほとんどつきません。それ以上に睡眠時間が2から3時間で、ふらふらと仕事に行き、事故も心配です」などの声です。
 こうした中で、過労性疾患が心配ています。
 メーデーの起源は、「8時間労働制」を求めるたたかいでした。小泉政権の動きは私たちの先人の血と汗の結晶である八時間労働制への攻撃なのです。
 働くルールの規制緩和ではなく、拡充こそが必要です。メーデーを機に、労働時間闘争の大切さも再認識したいものです。

   メーデーってなに?

●きっかけは「8時間労働」要求/全米ゼネストから120年

 メーデーは、1日10数時間もの過酷な労働を強いられた労働者たちによる労働時間短縮をめざすたたかいに端を発します。
 1886年5月1日、8時間労働制を求めた約35万人の労働者が米国全土でゼネストを実施し、経営者に労働時間の短縮を約束させました。
 恐れをなした経営者側はヘイ・マーケット事件(労働者の集会に爆弾が投げ込まれ、労組指導者が逮捕、処刑された事件)を利用して労組を弾圧。しかし、8時間労働を求めるたたかいは全世界に広がり、1890年5月1日、各国の労働者が第一回国際メーデーに立ち上がりました。

●〈日本のメーデー〉
 日本では「労働者大運動会」(1898年)や「メーデー茶話会」(1905年)などメーデーをまねた取り組みをへて、第1回メーデーが開れたのは1920年。東京・上野公園に15000人が集まり、「失業の防止」「最低賃金の確立」などの要求を決議しました。
 中国侵略が進むなか「対支非干渉」「植民地解放」などのスローガンも掲げられましたが、1935年を最後に禁止されました。

●〈戦後のメーデー〉
 戦後初のメーデーは終戦翌年の1946年、皇居前広場で開かれ、軍服やもんぺ姿の労働者50万人が「働けるだけ食わせろ」などと訴えました。
 以後、メーデーは働く者の要求や怒りを反映しながら開かれ、米水爆実験抗議(54年)、日米安保条約反対(60年)、公害絶滅と沖縄返還を要求(70年)、ロッキード事件糾弾(76年)などがとくに有名。最近では有事法制(03年)、年金(04年)、労働法制(05年)がテーマになりました。

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