広がる「核兵器なくせ」の国際世論

広島・長崎被爆60周年

8月4日から原水爆禁止世界大会

 今年は広島・長崎に原爆が落とされてから60年。いまなお、世界にある3万発の核兵器が人類の未来を脅かしていますが、核兵器廃絶を求める声は大きく広がっています。
 今年5月、米ニューヨークで開かれたNPT(核不拡散条約)再検討会議。前回2000年の会議で核保有国も同意した「核兵器廃絶の明確な約束」の実行を求め、世界中の政府やNGO(非政府組織)が集まりました。日本からも多数が参加し、「核兵器なくせ」の思いを込めた数100万の署名を届けました。5月1日の大集会とパレードには世界各地から45000人が参加、核兵器廃絶への大きなうねりを示しました。 NPT再検討会議では新アジェンダ連合や非同盟諸国だけでなく米国の同盟国なども核兵器廃絶を保有国に迫りました。
 一方、昨年の国連総会に新アジェンダ連合が提出した「核廃絶の合意の履行促進」決議には150以上の国々が賛成。広島・長崎市長ら平和市長会議による核廃絶のための緊急行動「2020ビジョン」は全米市長会議や欧州議会からも支持されました。
(写真は5月1日のニューヨーク行動・ニューヨークポストから)
 ところが、米ブッシュ政権は核兵器使用を含む先制攻撃戦略を掲げ、攻撃対象国さえあげています。使いやすい小型核兵器の開発、核攻撃力を向上させるミサイル防衛(MD)も押し進めています。日本の小泉政権も米国の世界戦略に追随し、被爆国とは思えない姿勢に終始しています。二度と戦争をしないことを誓った平和憲法改悪の動きも強まっています。
 被爆60周年、広島と長崎で開かれる原水爆禁止世界大会では国内外の人々との新たな共同と連帯、運動の強化などを確認し、核兵器廃絶を求める国際的世論をさらに大きくすることが求められています。


原水爆禁止2005年世界大会に海外代表300人
 原水爆禁止2005年世界大会(日本原水協など)は8月2日の国際会議からスタートします。5月のNPT(核不拡散条約)再検討会議を破たんさせた米国の横暴に抗して核兵器廃絶の流れを確かなものにしようと、300人を超える海外代表が参加するのが特徴。新アジェンダ連合に加盟するエジプトの政務次官、5月1日のニューヨーク行動を組織した全米平和正義連合の代表も参加します。
 広島・長崎を通し1つの大会として広島で開会総会を、長崎で閉会総会を開くのも今年の特徴です。関連行事として、フランスや韓国など海外から多数の若者が参加する「核兵器なくそう・世界青年のつどい」が初めて開かれます。
〈日程〉8月2〜4日=国際会議(広島)、同4〜6日=世界大会・広島、同7〜9日=世界大会・長崎。「青年のつどい」は4日広島、8日長崎で開催。