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守られた関税聖域はゼロ!? |
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国会決議にも公約にも違反のTPP |
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農業をはじめ国民生活に大きな影響を与える環太平洋経済連携協定(TPP)。今国会での承認は見送りになりましたが、ここにきて政府のとんでもないごまかしが判明しました。 国会審議で野党各党は交渉資料の開示を求めましたが、出てきたのは全ページが真っ黒に塗りつぶされたペーパー。「秘密交渉」を言い訳にしますが、情報開示をここまで拒むのは異常です。国民への説明責任を果たすつもりがないことを自白したのも同然です。 それだけではありません。「コメや麦、砂糖、牛肉・豚肉、乳製品の需要5項目の関税を守ることを求めた国会決議は守られたのか」の質問に、森山農水大臣は「影響を受けていないものはない」と決議違反を認める答弁。「5項目の関税聖域は必ず守る」としていた自民党の公約にも違反しています。 協定には関税問題のほかにも多くの危険が。規制緩和が失敗だったとしても、再び規制することを禁じる「ラチェット条項」の存在など自由化への片道切符が一例です。遺伝子組み換え食品などの表示や輸入制限が自国判断ではできなくなったり、製薬会社の都合で国内の薬価が高騰する可能性も指摘されています。 米国の大統領選では有力候補の全員がTPP反対を表明しており、日本が批准を急ぐ理由はどこにもありません。国益を損なうTPPは撤回すべきです。 ■拡大する格差と貧困/賃金底上げと社保拡充が解決への道 日本の超富裕層上位40人の資産総額がこの4年間で倍増──米国の経済誌による報告です。増加額の15・9兆円は全世帯の下から53%の世帯の資産合計にあたるといいます。 第2次安倍政権が「安心・安全な子育て」「介護離職ゼロ」などとうたいながらも、社会保障費の削減を続けてきた結果が、この格差拡大を招いてしまいました。とりわけ深刻なのが子どもの貧困。民主党政権時に「7人に1人」だった貧困率は「6人に1人」にまで上昇しています。 こうした家庭の多くは親が非正規労働者です。「生涯非正規」を覚悟する当事者たちは「2人目」に積極的ではありません。将来が不安だからです。都内で派遣社員をしながら娘を育てているAさんは、「国は、やたら『産め』と奨励するのではなく、現在苦しんでいる親と子を支援してほしい。児童手当拡充や非正規社員の正規化促進が少子化対策になる」と訴えます。 ユニセフの調査で、所得格差が少ない上位3カ国(ノルウェー、アイスランド、フィンランド)の出生率は、日本政府が目標に掲げる「1・8」をクリアしています。最賃大幅アップなどの賃金底上げや社会保障充実による格差是正こそが、〈少子化→労働力減少→税収減・年金財政悪化→経済停滞・将来不安〉という負のスパイラルから脱出し、日本経済を再生させる一番の近道です。(連合通信) |
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