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2016年05月09日

不安だらけでスタート
焦点Q&A

患者申出療養制度

 Q 4月に始まった「患者申出療養制度」ってなに?
 A 健康保険が適用される部分と、そうでない自由診療を組み合わせた治療方法の一つ。現在の日本では、こうした「混合診療」は禁止されているんだけど、これまでにも「評価療養」などの例外が認められている。今度のも新たな例外措置といえる。
 Q なぜ日本では混合診療は禁止されているの?

 A 保険診療が原則だからだよ。自由診療の部分を無制限に認めれば、患者負担が大きくなり、お金のない人は医者にかかれなくなってしまう。自由診療が原則の米国では、「医療格差」が激しい。

 Q 今度の制度で、そうなってしまうの?
 A あくまで「例外」なので、そこまでひどいことにはならないよ。ただ、心配はある。保険適用でない新しい薬を使う場合、その安全性や効果を確かめる期間を従来より短縮しており、患者団体などは「本当に大丈夫なのか」と懸念を表明していた。もしも不具合があったときにどうするのかも不安だ。

 Q なぜこうした例外をつくっているの?
 A 政府は、患者のニーズだと説明している。いろんな治療を試しても治らない場合、新しい治療を試みたいという要求があるのは事実。だけど、安全性や効果をないがしろにするのは危険過ぎる。

 Q ほかにも理由が?
 A 保険適用の部分を縮小すれば、治療代がかさむから患者は民間の保険に入らざるを得ない。保険会社にとってはビジネスチャンス。医療費の支出を抑えたい政府にとってもメリットがある。患者のニーズというより、こちらが目的ではないのか。これからも監視が必要だ。(連合通信) 

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