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2016年03月28日

自衛官の命を軽く考えるな
日弁連が安保法シンポジウム

安保法制で武器使用が大きく拡大

 「『安保関連法』試行迫る!私たちができること、しなければならないこと」と題するシンポジウムが3月23日、都内で開かれた。日本弁護士連合会が主催し、パネルディスカッションでは元自衛官や元防衛庁官僚など安全保障に詳しい識者が自衛隊派遣の問題点を語った。

▲武力行使は個人責任?

 防衛庁官僚を務めた元内閣官房副長官補の柳澤協二さんは、安保法制で新たに容認される「自衛隊の武器の使用」について、「武力の行使」ではなく「武器の使用」と書かれている点に注目。「政府は『政策判断として武器の使用はしない』と答弁しているが、言い換えれば『法律では使用は禁止されていない』ということ」と指摘。これは自衛隊員に「個人の責任」で軍隊の仕事をさせることにほかならないと述べた上で、「憲法とも自衛隊の定義とも整合性が取れていない状態。そのしわ寄せで苦しむのは現場の自衛官だ」と強い懸念を示した。

▲復興支援は不十分か?

 東京新聞論説委員の半田滋さんは、安保法施行後に実施されるPKO派遣について疑問を投げかけた。

「これまで自衛隊は憲法規定により武力行使を伴うPKOの文民保護には加わらず、復興支援に徹してきた」と自衛隊派遣の経緯を説明。

「命をかけない任務だからと言って、(復興支援などに)意味がないと言っていいのか。これまでの自衛隊の実績を踏まえ、日本にしかできない国際貢献を進めていくべきだ」と話した。

▲自衛隊に何を望むか

 元自衛隊員でPKO派遣経験者の渡邊隆さんは、「安保法によって、事実上自衛隊派遣に地理的制限がなくなり、武器使用も大きく拡大することになる」と述べた。
 その上で、「地球の裏側まで自衛隊を派遣する前に国民的な議論が必要」と指摘。「自衛隊は自分たちの任務が国民に理解されるのかどうかについて非常に敏感だ。法律に定められていても、世論に反することはできない。国民が自衛隊をどう位置付けるのか、一人一人が考え、示してほしい」と語った。(連合通信) 

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