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2016年07月.26日

国家の暴走が止まらない
沖縄レポート

高江のヘリ着陸帯工事強行

 歴史に刻む日付が、沖縄には多すぎて数えきれないほどだ。7月22日は、その一つに加えられそうだ。

 日本政府は東村高江の米軍北部訓練場内のヘリ着陸帯(ヘリパッド)の工事を開始した。参院選沖縄選挙区で現職閣僚が大敗し、基地反対の民意が再び強固な形で示された翌日の11日早朝、抗議する市民を機動隊に排除させながら始まった。警視庁や福岡県警からの応援を含め500人もの機動隊員が、人口150人ほどの地区に押し寄せた。

▼国は話し合いを拒否

 22日には、国が再び沖縄県に訴訟を仕掛けた。沖縄県も訴訟を起こすことはできた。しかし、今年3月4日の福岡高裁那覇支部の和解勧告、6月21日の係争委の決定を踏まえ、双方の真摯(しんし)な協議で解決を図るべきとの立場から提訴を見送った。県は事前に文書で政府に伝え、14日の国と県の作業部会でも伝えていた。

 21日に首相官邸で開かれた政府・沖縄県協議会では翁長知事自ら菅官房長官らに伝えたが、官房長官の答えは「政府としては、司法判断を仰ぐ手続きと協議の手続きを並行して迅速に進めていくという和解条項の趣旨に照らして提訴する」という身勝手な解釈。間髪を入れずに強硬策を取り続ける。

 高江では反対派市民が24時間態勢で結集している。19日には県外の警察官らが交通量の少ない県道で一斉検問を行うという異常事態。県道を封鎖し、資材をヘリ空輸で運び込むとの報道もあり、21日には平日の緊急の呼び掛けにもかかわらず1600人(主催者発表)もの市民が集まった。

▼オスプレイ推進と一体

 ドキュメンタリー映画「標的の村」で描かれたのが高江だ。周辺には6カ所のヘリ着陸帯が計画され、2カ所が完成。他の工事は住民らの粘り強い闘争で中断している。それを一気に完成させようというのだ。ヘリ着陸帯を主に使うのは悪名高いオスプレイ。夜10時を過ぎても集落上空を訓練飛行しており、小学生が不眠で学校を休む事態になり、映画に登場した家族も隣村に一時転居を余儀なくされている。

 本来は静かで、貴重な動植物が命を育む豊かな自然に恵まれた土地である。地元住民は計画が明らかになって以降、一貫して反対してきた。しかし、北部訓練場の一部返還に伴う措置とされていることから東村長も沖縄県も容認してきた経緯がある。翁長知事はオスプレイ反対の立場から容認できないという姿勢だが、明確な反対は示していない。そこを政府は突き、より人口の少ない地域を犠牲にしようとしている。

 この国家の暴走・横暴を止めるにはどうしたらいいのか。(ジャーナリスト 米倉外昭)


国の沖縄県提訴に抗議全労連が談話

 全労連は7月22日、安倍政権による辺野古埋め立て再提訴に抗議する事務局長談話を発表した。

 政府は同日、辺野古新基地建設に関わり沖縄県が埋め立て承認を取り消したのは違法だとして福岡高裁那覇支部へ提訴。談話は「これまでの和解の経過やオール沖縄の民意を正面から踏みにじるもの」と強く抗議した。

 参議院選挙の直後から、東村高江の米軍ヘリパッド建設のために現地に機動隊員などを大量動員している政府の一連の動きについても、「安保法制(戦争法)強行後の『戦争する国づくり』の危険性を浮き彫りにするもの」と指摘。こうした強権的な動きに反対し、オール沖縄のたたかいへの支援を一層強化すると述べた上で、「この国の平和と民主主義を守る極めて重要な課題として、全国各地で支援の取り組みを強めていく」と決意表明した。(連合通信)


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