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米海兵隊撤退は県民の総意だ |
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女性追悼の大会に6万5千人 |
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梅雨が明け、じりじりと太陽が照り付ける沖縄の夏。6月19日、また一つ、沖縄の歴史に刻まれる県民大会が開催された。今年成人式を迎えたばかりで、結婚を控えていた20歳の女性が殺害された事件への追悼と抗議の県民大会だ。 主催者発表で6万5000人の参加。政権与党の自民、公明両党と、おおさか維新の会が参加せず超党派の開催にはならなかった。しかし、超党派ではない集会として空前の規模だ。「政権与党が参加しないのは残念だが、何もしないわけにはいかない」と、うるま市から参加した31歳の男性は語った。そんな思いの結集だったと思う。 ▼地位協定の抜本改定を 「オール沖縄会議」主催の大会の名称は「元海兵隊員による残虐な蛮行を糾弾! 被害者を追悼し海兵隊の撤退を求める県民大会」。決議は次の3項目の要求を掲げた。(1)日米両政府は遺族および県民に対してあらためて謝罪し完全な補償を行うこと(2)在沖海兵隊の撤退および米軍基地の大幅な整理・縮小、県内移設によらない普天間飛行場の閉鎖・撤去を行うこと(3)日米地位協定の抜本的改定を行うこと――。自民党などは(2)の在沖海兵隊の撤退、辺野古移設反対は政治的だと、反発した。 容疑者は米空軍嘉手納基地内の民間企業で働いていた軍属だが、元海兵隊員である。沖縄にいる米軍の兵員数が最も多いのは海兵隊であり、事件・事故を起こすのも海兵隊員が目立つ。地上戦闘の訓練を受ける若い兵士が多い。19日、タクシーの運転手からこんな話を聞いた。「海兵隊員を乗せたら(自分の)シートベルトを外すんですよ。何かあったらすぐ逃げられるように」。料金を払わずトラブルになって暴行を受ける事件は珍しくない。タクシー強盗殺人もあった。海兵隊はそのような目で見られている。 ▼「抑止力」に根拠なし 「在沖海兵隊の撤退」とうたわれたのには、もう一つの理由がある。在沖海兵隊を、中国などに対する抑止力であり、沖縄に地理的優位性があるという政府の宣伝を信じる沖縄県民はほとんどいないからだ。 琉球新報、沖縄タイムスが今回の大会に合わせて別刷り特集を発行し、海兵隊の「抑止力幻想」を明快に批判している。琉球新報は〈「抑止力」根拠なく/理不尽な沖縄集中〉と紹介。海兵隊員を運ぶ強襲揚陸艦は長崎県佐世保を母港としており、朝鮮半島有事に向かうには佐世保から沖縄を回航しなければならないこと、実戦部隊の第31海兵遠征部隊(31MEU)はアジア太平洋地域を巡回しており、年の半分以上は県外にいること、在沖海兵隊はもともと沖縄におらず、日本本土の反基地運動で1956年から73年にかけて岐阜県、山梨県、静岡県、山口県、神奈川県から移転してきたことを挙げた。 ▼参院選で答え出そう 事件事故の再発防止策としての海兵隊撤退は、県民の総意と言える状況にあり、さらに全基地撤去を求める声も強まってきた。被害女性の父親が県民大会に寄せたメッセージで「次の被害者を出さないためにも『全基地撤去』『辺野古新基地建設に反対』。県民が一つになれば、可能だと思っています」と述べたことは象徴的だ。 県民大会への参加を見送った政党を県民がどう評価するのか。参院選でその答えが出るに違いない。(ジャーナリスト・米倉外昭) ■国会前には1万人/沖縄女性の殺害事件に抗議 県民集会に合わせて開催 元米海兵隊員による女性殺害事件に抗議する沖縄県民大会に併せ、国会前では1万人(主催者発表)が集まって怒りの声を上げた。集会は「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と「止めよう!辺野古埋め立て」国会包囲実行委員会が主催。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの外間三枝子さんは「政府は米国に日米地位協定の改定すら言わない。沖縄の戦後は終わってない」と訴えた。 沖縄県民大会の模様が中継された。「事件が二度と起きないよう、県民の先頭に立って日米地位協定の抜本的な見直し、海兵隊の撤退・削減、辺野古新基地建設阻止に取り組む不退転の決意を表明する」という翁長雄志県知事のスピーチが流れると、国会前は拍手に包まれた。 作家の落合恵子さんは「沖縄でずっと続いている暴行・殺害事件は(沖縄だけでなく日本に住む)私たちの問題」と指摘。現地で座り込みを続ける女性保育士の「沖縄に暴力を押し付ける(本土の)政治家を落選させることも沖縄への連帯の形」という言葉を紹介、「7月10日に私たちの答えを出しましょう」と呼び掛けた。 この日、同様の行動が全国40カ所以上で行われた。(連合通信) |
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