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2016年07月.19日

やればできる・暴走政治をストップ!
侮るな野党共闘の力

自民党の改憲の中身語ろう

 7月10日に投開票された参議院選挙では、与党の自民・公明が過半数を獲得し、改憲勢力が3分の2議席を占めました。一方で野党共闘も成果を挙げています。この結果は何を示しているのでしょうか。

▼争点隠しが勝因?

 与党の自民・公明が「圧勝」した大きな理由の一つは、争点隠しを徹底したことです。

 消費税率の引き上げ(8%→10%)を延期せざるを得ないほど経済状況が悪いにもかかわらず、アベノミクスは「道半ば」とごまかし、改憲への言及を封印し選挙に臨みました。

 こうしたやり方は「隠す、ゆがめる、うそをつく」(五十嵐仁・法政大学名誉教授)戦術といわれます。

 安倍政権の暴走を止めるには、悪政の中身と改憲の思惑を広く国民に知らせ、争点を明確にすることが必要です。秋田を除く東北5県の1人区で野党が勝利できたのは、環太平洋経済連携協定(TPP)推進が「農業つぶしだ」ということが有権者にしっかり伝わったからこそ。争点が明確ならば、正しい選択ができるのです。

▼改憲派が3分の2に

 選挙の結果、自民・公明に加え、おおさか維新などの改憲派議員が参議院でも3分の2の議席を占めました。衆議院では既に3分の2を確保していますから、これで改憲発議(改憲案を国民投票にかけること)が可能になりました。

 自民党の改憲草案は、人権を制限できる緊急事態条項の新設や、自衛隊による海外での武力行使の正当化などを狙っています。

 共同通信の出口調査によると、「安倍政権下での改憲に反対」が50%で、賛成は40%でした。国民は安倍政権の改憲を認めているわけではありません。

 とはいえ、暴走する安倍政権は改憲手続きに着手するでしょう。私たちは、あらためて現憲法の意義や、自民党改憲草案の中身をよく知る必要があります。

▼野党と市民の新しい共同

 民進、共産、社民、生活の野党4党は32ある1人区のすべてに統一候補を擁立し、11選挙区で自民党候補に勝利しました。野党が力を合わせれば、与党に対抗できることが分かったのです。

 こうした野党共闘は、安保法制に反対する市民の強い働き掛けによって実現したもの。市民と野党がともに選挙を戦う新しい形が始まったのです。

 11勝という結果について「野党共闘は限界」などの指摘もあります。しかし、共闘がなければ11勝さえ困難だったはず。準備期間が短かったことを考えれば、効果は十分です。

 安倍政権の暴走にストップを掛けるには、この形をさらに広げ、大きくすることが求められます。

▼思い通りに改憲進まず法政大学名誉教授 五十嵐仁さん

 改憲勢力が衆参両院で3分の2の議席を占めました。選挙戦で自民党と公明党は改憲問題を争点から外したことで、選挙には勝つことができました。しかし、その半面、改憲のための国会審議がやりにくくなったと思います。
 (加憲を訴える)公明党は改憲を公約にも書かず、腰が引けています。これは、安倍政権が改憲の動きを進める上でブレーキになるでしょう。必ずしも安倍政権の思い通りにはいかないということです。野党にとっては、改憲を阻止するチャンスといえます。(連合通信)


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