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仕事と介護の両立体制を |
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発言抄/「大介護時代」乗り切ろう |
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1980年代から介護離職の問題に取り組んできました。 当時から家族の介護のため離職せざるを得ない中高年女性はたくさんいました。彼女たちが静かに辞めていったときは問題は表面化しませんでした。 いまや年間10万人といわれるまでに介護離職者が増えています。その中には少なくない男性たちがいます。男女雇用均等法30年の成果で、やっと管理職にたどりつた女性たちもいます。大変な社会的損失だと思います。 介護は「もっとも人間らしい行為」といわれたりしますが、それが次世代の働く世代の未来を奪うことになってはならないでしょう。仕事と介護の両立体制を整えることこそ、人間社会の責務です。80代で「介護される側」に近づいた者として心からそう思います。 先日「介護離職のない社会をめざす会」を立ち上げたので、今後、積極的に政策提言などを行っていく予定です。ぜひとも訴えたいのは「遠くの親戚より近くの他人」法の制定です。 2012年にスウェーデンを訪ねたとき、かの国の「看取り休暇」なるものの充実ぶりに驚きました。終末期の患者を看取る者が有給で約90日の休暇をもらえるという法律です。関心したのは、看取る者が患者の血族かどうかは問われないことです。「この人に最期のケアをしてもらいたい」という患者からの指名があれば友人でも地域の隣人でもいい。誰もが休暇取得できるのです。 ――血縁関係ではなく、「結縁」を育むこと。法律はそれをバックアップすること。少子化で単身世帯が増加する日本でもそうしたことが必要となるでしょう。 ひぐちけいこ 1932年東京都生まれ。NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事長。「介護離職のない社会をめざす会」共同代表。著書に『大介護時代を生きる』など。(連合通信) |
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