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日銀になめられていいのか |
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『連合の賃上げ要求は低すぎる』奥田日銀総裁が連合新年交歓会で |
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年明け早々に、頭に血の上ることがあった。1月5日の連合の新年交歓会で舞台に立ってあいさつした日銀の黒田東彦総裁の発言である。 連合要求は低過ぎ? 黒田総裁が自ら望んだのか、連合が依頼したのかは定かではないが、スピーチの趣旨はこんな内容だった。「企業収益は全体として過去最高水準にあり、労働者側にとって強い追い風が吹いている」。そしてこう続けた。「(日銀が目標とする)2%の物価上昇は、それに見合った賃金上昇がなければ持続可能ではない。日本銀行はやるべきことは断固としてやる。それぞれが役割を果たそう」と呼び掛けた。 言い換えれば、こういうことだ。「企業のもうけは過去最高だよ。こりゃいっぱい取らなきゃね。日銀はインフレ2%を絶対やるけど、労組がちゃんと賃上げやらないとうまくいかんのだよ。(2%程度なんて)低い要求でなく、ちゃんとやることやれよな」。ちょっと品悪く〃翻訳〃したが、実際、日銀内部では「連合の要求は低すぎる」「あんな弱腰ではデフレ脱却のじゃまになる」などと連合批判の声が上がっている。また、新年交歓会の前日には「明日、黒田さんが連合に厳しく言うらしい」という情報が兜町や永田町で出回っていたほどだ。 これに対して、神津会長は「デフレ脱却を日銀だけに任せて良いはずはない。世の中全体の力を合わせなければ」と応じた。ゲストへの返礼だから、厳しいことは言えないのは承知の上だが、意地を見せながらも〃優しい〃モノ言いに聞こえる。連合が提起した「2%程度基準」の要求方針を巡っては、黒田総裁に限らず、麻生、甘利といったうるさ型の閣僚を始め、官僚、経営者からも「要求が低すぎる」「最低でも3%だろう」などと好き勝手な批評、批判が繰り返されている。連合の方針を見た時は、私も正直に言えば「低いんじゃないの」と思った。しかし、政府やましてやもう一方のプレーヤーでもある経営者からまで言われては腹が立つ。この間、延々と実質賃金が低下してきたのはなぜか? どの口が言うのかと思う。 怒りを持って闘おう もっと残念なのは、労働側から怒りの声が沸かないことだ。7日行われた連合の春闘方針の学習会。180人を越えるメンバーが参加しながら、何の声も出なかった。自分たちが闘う方針をあそこまで言われたのにである。「低いと言われたわれわれの要求に満額で応えない経営者がいたら、すぐにストライキに決起しよう」。そんな訴えが一言でも出ないかと期待していたのだが……。あるベテランの労働記者に嘆いたら「今、単組に怒りがないんだよ。ストは禁忌(タブー)。だからこそ、連合本部が怒って見せ、ゼネストでも提起しなきゃならないのにね」と首を振った。 春闘へ向け、怒りをためよう。そして、怒りを行動に移そう。それが春に闘うことだ。(連合通信) |
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