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2016年04月04日

「成績不良」は理由にならず
東京地裁判決

IBMのロックアウト解雇で

 日本IBMが「業績(成績)不良」などの理由で社員を解雇し即会社から締め出した「ロックアウト解雇」は違法だとして社員5人が訴えていた裁判で、東京地裁は3月28日、原告5人全員の解雇を無効とする判決を言い渡した。解雇時点にさかのぼった賃金支払いも会社に命じた。

 原告らはJMITU(日本金属製造情報通信労働組合)の組合員。「業績が低く改善の見込みがない」などの理由で会社が突然解雇を通告し、その直後に同僚とあいさつする間もなく会社から閉め出された。2012年7月以降解雇通告を受けた社員は50人に上り、うち34人が組合員(解雇通告時)だった。

 裁判の焦点は、会社の主張する「業績不良」による解雇が有効か否かだ。会社側は相対評価で2年連続して低位だったことなどをその理由としたが、判決は「相対評価による低評価が続いたからといって解雇すべきほどのものとは認められない」とし、「権利乱用として無効」と判断した。

 今回の裁判は12年と13年に解雇通告を受けた原告5人が集団提訴していたもの(第1次、第2次訴訟)。これとは別に原告6人が同様の訴えを起こした裁判(第3~5次訴訟)が東京地裁で現在継続中だ。

▲原告代理人の水口洋介弁護士の話

 相対評価が低いだけでは解雇の理由にならないことは労働法の常識だが、IBMはその「解雇権乱用法理」のハードルを下げることを狙って解雇を行った。成果主義・能力主義の労務管理が広がるなかで、裁判所が改めて5人全員の解雇を違法・無効と判断した意義は大きい。

 一方で裁判所は、組合員を狙った不当労働行為だという主張は認めなかった。原告の上司が「組合に入ると評価が低くなる」などと発言したことを事実認定しながら、それが直接解雇理由に結びついた証拠はないとした。解雇の本当の理由を明確にしなかった点は不十分だ。

 今後の訴訟を含め一日も早い全面解決が望まれる。(連合通信) 

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