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2016年03月07日

児童虐待対応の職員が不足
自治労連が全国社会福祉部会

虐待の背景に貧困

 「市町村・児童相談所等の子ども家庭相談担当職員全国交流集会」が2月27日・28日に愛知県の労働会館で開催され、全国から子ども家庭相談業務に従事する職員らが参加しました。児童虐待が大きな社会問題になっていることを反映しNHKをはじめマスコミも5社が取材に訪れました。

 児童相談所が対応する児童虐待の対応件数は急増しています(2014年88,931件、この15年で7.6倍)。児童福祉司の数は一定数増えましたが、相談数の増加にまったく追いついておらず、児童相談所職員は極めて厳しい労働環境に追い込まれています。また、虐待対応において初動対応機関として位置付けられている市町村では、担当職員は必ずしも児童福祉を専門に学んだわけではなく、また、相談員の非常勤職員割合が高くなっています。児童の緊急保護を行う一時保護所では、恒常的な施設不足や子どもの教育を受ける権利が保障されないなどの深刻な課題が山積みです。このような状況の下、子どもの権利を守るとりくみを強化していくため、子ども家庭相談の現場の現状を交流し課題を明らかにすることを目的として、自治労連で初めてとなる本集会を開催しました。

 集会開会にあたり、自治労連の高柳副委員長が「児童虐待が増加するなか、児童相談所や一時保護所などの職員の過重労働の改善、虐待を受けた児童とその親に対するケアが充分にできる体制を作ることが急務になっている。全国の取り組みを交流し相談体制充実などの運動を進めていきたい。児童虐待の背景にある貧困と格差の解決にとりくんでいきましょう」とあいさつをしました。

 パネルディスカッションでは、、一時保護所の宿日直職員が全て嘱託職員である現状や、児童福祉司の時間外労働の実態(年間の時間外労働が1700時間以上に及ぶ者もいる)等、虐待増加に追いつかない児相職員の著しい不足や、一時保護所の施設不足、自治体の相談窓口の現状など、児童福祉業務の厳しい実態が報告されました。

 集会参加者からも、それぞれの自治体のとりくみ状況や課題について発言があり、児童心理司等の重要性と不足、児童福祉司基準は人口割ではなく持ちケース数を根拠にすべき、児童虐待の背景に貧困の問題があるという視点の重要性、一時保護所の夜間体制は宿直ではなく夜勤で、などといった課題が出されました。

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