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2016年11月08日

「民間委託では市民守れない」
大阪で反官製ワープア集会

滋賀県野洲市の市長が指摘

 「なくそう!官製ワーキングプア第4回大阪集会」が11月3日、大阪市内で開かれた。非正規公務員の労働組合などでつくる実行委員会が主催し、約150人が参加。連合や全労連、全労協といった上部団体の枠を超えて幅広い労組が結集した。今回は、賃上げや雇用確保の運動交流に加え、自治体と公共サービスのあり方をテーマに設定したのが特徴だ。シンポジウムでは滋賀県野洲市の山仲義彰市長が、民間委託や非正規雇用を当然視する風潮について、「そういうのはおかしい」と語った。

▲生活困窮者対策を重視

 野洲市は人口約5万人の地方都市。山仲市長は10月23日、自公の推す候補と市長選を戦い、3回目の当選を果たしたばかりだ。

 同市は、生活困窮者への対策に力を入れており、全国からの視察も多い。通称「ようこそ滞納いただきまして条例」で、家賃や住民税、給食費などを滞納している市民を見つけ、生活を再建する事業を立ち上げた。山仲市長は「滞納があるのは困窮のシグナル。生活が壊れるような回収の仕方はしない。債権(滞納)を一元化した上で、市役所内の各セクションが集まって支援する体制をつくった。北風と太陽の関係と同じ。結果として滞納額は減少した」と語った。

 困窮者の自立支援では、ハローワークとも協力しながら、年間170人を就労につなげているという。

▲直営に戻しコスト削減

 野洲市がユニークなのは困窮者支援だけではない。民間委託の手法の一つ、指定管理者制度については「現業を減らし、安上がりの行政づくりが目的とされるが、コストが下がるというのはごまかしだ。公共サービスにこのやり方を入れてはならない」と指摘。実際に、文化・スポーツ施設の運営を直営に戻し、コストも下げている。

 現在、市民病院の建設計画が進行中だ。民間委託の流れに逆行していると批判され、市議会で2度否決されたが、4年後の完成に向けめどが立ちつつあるという。以前の市長は民間病院に補助金を出し続けて、「泥沼支援」に陥った。その教訓を踏まえ、公営病院の必要性を訴えてきた。

 以前の市長は保育所を民間委託する予定で、市として保育士を採用してこなかったという。現在は採用を再開して市立保育所(変則的な幼保一体化)を維持し、待機児童はいない。質の面で不安のある小規模保育や簡易保育は行っていないと述べた。

▲非正規増やすのは反対

 パネル討論では、「職員を全て正規にするとか、事業を直営だけにするということだと、世間の反発もあるのでは」との問い掛けにこう答えていた。
「もちろん、非正規で対応しなくてはならない部署もある。だが、非正規を増やすのが当然という風潮はおかしい。正規は働かないという意見には同意できないし、正規だから(将来への)展望が出てくるのだと思う」(つづく)(連合通信) 

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