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2016年10月24日

最賃上昇で産業間格差が縮小
2016年版労働経済白書

下位10%の賃金層を押し上げ

 2016年版労働経済白書が地域別最低賃金の上昇に伴う影響を分析している。パート労働者のうち最も低い下位10%の賃金を押し上げる効果と、産業間の賃金格差を縮小させる傾向を指摘している。併せて雇用への負の影響がみられないことを裏付けるデータも示した。

 白書は厚生労働省が9月に発表した。「最賃近傍」(最賃周辺)で働く人を、最賃の1・15倍未満の賃金で働く人と定義。パート労働者では、09年に27・9%だったのが、14年には39・2%に急増した。産業別では、宿泊・飲食の39・9%、生活関連・サービス・娯楽23・1%、卸・小売22・7%が多い。

 最賃の上昇がどのくらいパート労働者の時給に影響したかを試算した。平均賃金には特筆すべき影響はないが、最も低い10%の層では、最賃が1%上昇することで賃金が約0・4%上昇していることが分かった【グラフ1】。

 産業間格差への影響も分析している。最賃近傍で働く割合の多い飲食業の賃金と、産業全体との格差がどのぐらい縮小・拡大したかを、12年と14年の比較で明らかにした。特に最賃の伸びが大きい上位10都道府県では格差が縮小している事実を指摘し、「最賃の引き上げが産業間の賃金格差の縮小に寄与し、賃金の底上げにつながっている可能性が高いことが分かる」と結んでいる【グラフ2】。 

▲雇用減の影響受けず

 最賃が上昇すると非正規労働者の雇用は減るのかどうか、07、12年の全国のデータをもとに分析している。平均賃金に対する最賃の比率の上昇と、雇用労働者に占める非正規雇用者比率の増減には、相関関係が見られない。
 白書は「最近は景気の回復傾向を踏まえた人手不足状況にあることも背景に、非正規雇用労働者比率は最低賃金上昇の影響を受けにくくなっている可能性も高い」としている。(連合通信) 

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