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「あくまで成長戦略」だ |
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一億総活躍プランの正体とは |
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安倍政権の「ニッポン一億総活躍プラン」(案)が5月18日に公表された。5月中に閣議決定するという。安倍政権の参院選(場合によっては衆議院とのダブル選挙)の〃公約〃となる文書といえる。 ▲現場見ず非正規語るな 前回の連載記事(4月28日付)で、安倍政権が同一労働同一賃金を語ることの〃気持ち悪さ〃を書いた。大まかに言えば、派遣法改悪などで非正規を増やす政策を進めながら、同一賃金や最低賃金引き上げを語る気持ち悪さだ。非正規で働く30代の友人も、記事にうなずきながらこう断じた。 「彼は自分で非正規を増やす火を付けながら、それを消すのもやると言っているのに等しい。『マッチポンプ』そのものだ。なぜ、俺たちが明日食う飯さえ心配するような働き方をしているのか、俺たちのことは何一つ見ていない」 私や彼が感じた気持ち悪さの正体がストレートに理解できる記述がプランの中にあった。少々長くなるが引用してみる。 一億総活躍社会の意義を説明したくだりで、その社会を「家庭で、職場で、地域で、誰もが活躍できる全員参加型社会」と説明し、こう意義を強調する。 「これは単なる社会政策ではなく、究極の成長戦略である。すべての人が包摂される社会が実現すれば(中略)経済成長が加速することが期待される」(包摂と多様性による持続的成長と分配の好循環) 女性、高齢者、障害を持つ人、非正規労働者など社会的弱者を社会が包摂することを〃究極の成長戦略〃と位置付けるのだ。社会的包摂を支えるのが正義や公正ではなく、成長戦略と言い切る姿勢には、違和感どころか吐き気さえ感じる。 ▲弱者は使いつぶされる 成長戦略で語られる同一労働同一賃金や最低賃金の引き上げ、長時間労働の是正、女性の活躍……。これらは、戦略として効果がないと分かったら、あっさりとゴミ箱に行く運命なのだ。効果があったとしても、その効果が薄れたら捨てられてしまうだろう。戦略とはそういうものだ。社会的包摂に社会的な価値を見い出さず、成長戦略としてもて遊ぶことは許し難い。 安倍政権が「働き方改革」を言い始めた意図が、今回のプランではっきりした。「安倍政権であっても同一賃金などが実現すれば良いこと」では済まない。やはり、安倍首相はどこまで行っても安倍首相である。彼が首相でいる限り、「人らしく働きたい、人らしく暮らしたい」という私たちの願いは、かなえられない。〃成長戦略〃として使いつぶされるのだ。夏へ向けて、立ち上がらないわけには、声を上げないわけには……いかない。(連合通信) |
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