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2016年06月21日

3%引き上げを示唆
地域別最賃の改定諮問

1000円達成時期が焦点に

 2016年度の地域別最低賃金改定の行方を決める中央最低賃金審議会の目安審議が6月14日始まった。塩崎恭久厚生労働相が諮問し、「3%程度をめど」とする引き上げを示唆した。大臣の出席は3年ぶり。政府が全国平均1000円の実現を打ち出すなか、その達成時期が焦点となる。

 安倍政権は昨夏の安保法制強行後、最賃について、GDP(国内総生産)成長率に配慮しながら、3%程度の引き上げを行い、全国平均1000円をめざすとする成長戦略を閣議決定した。地域別最賃の全国加重平均は798円。仮に毎年3%引き上げれば2023年に到達する計算だ。

 塩崎恭久厚労相は諮問でこの目標に「配意」する審議を求めた。3%程度、金額にして加重平均24円程度の引き上げを軸に検討が進むとみられる。

 須田孝連合総合労働局長は「昨年は2020年までに全国平均1000円の実現をめざす立場から51円の引き上げを主張したが、政府からキャップ(上限)をはめられ、18円(の目安)しか上がらなかったという思いがある。そうした状況を見ながら主張を検討したい」と労働側の立場を説明した。

 毎年広がる地域間格差の是正も重要な課題だ。最高額の東京(907円)と、最低額の沖縄、宮崎、高知、鳥取(693円)とでは時給の差が214円にも上る。一律3%の引き上げだと、23年には格差が260円強にも広がる計算。同相は生産性向上支援について熱弁を振るったが、格差問題には触れなかった。

 神津里季生会長は16日の定例会見で、「誰もが時給1000円」という連合の目標を述べた上で、「格差が広がっていく仕組みの中で『上げます上げます』と言うだけで、(是正を)示さなかったのはどうかと思う」と苦言を呈した。

 最賃は従来、零細企業の賃金上昇率を元に上げ幅の目安を示してきた。08年の最賃法改正で「生活保護との整合性」の考慮が加わり、10年の「早期に全国最低800円、20年までに全国平均1000円」の政労使合意、13年以降の成長戦略への配意など、時の政権の意向が色濃く反映されるようになってきている。(連合通信) 

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