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2016年07月04日

足がかり築くも課題残す
国民春闘共闘が中間総括

「社会的な賃金闘争」さらに前へ

 全労連や純中立労組でつくる国民春闘共闘委員会は6月23日、2016春闘の中間総括を確認した。最低賃金の引き上げなど社会的な賃金闘争の前進に足がかりを作ることができたが、職場の賃金闘争では弱点を克服しきれず課題を残したと、総括している。

 5月26日までの春闘の回答結果は、単純平均が前年同期比406円減の5323円(1・97%)、加重平均が388円減の5770円(2・02%)。非正規労働者の処遇改善を獲得した組合数、ベア獲得組合数は昨年並みとなっている。

 春闘共闘は今年、実質賃金の低下に歯止めをかけようと、従来の延長線上ではない取り組みを呼びかけてきた。だが、「前年実績さえ下回る低額回答にとどまっており、不十分な到達点と言わざるを得ない」と厳しいものとなった。

 この背景について、中間総括はまず「景気の減速が鮮明となり、中小企業を取り巻く状況が予想以上に厳しかった。地域春闘を推進し何とか微減で止めた」と指摘。今後は「地域春闘」を強め、暮らしと雇用を守る共同を強めるとともに、生計費原則に基づく職場論議や統一闘争への結集などやるべきことをやり切ることが必要としている。

 一方、最賃や公契約条例、公務員賃金など「社会的な賃金闘争」の課題では「前進への足がかりができつつある」とした。

 井上久事務局長は「(経営者団体などとの)対話・懇談では『最賃1000円は当然』という合意ができつつある」と、運動の到達を振り返りながら、全国一律最賃制実現の運動を強め、闘争のバージョンアップが必要と語った。

▼〈討論〉人員不足を背景に成果も

 化学一般(88組合、約5000人)は平均が5611円。賃金構造維持分を維持し賃上げを確保した組合は全体の約半数で、厳しい結果になったと報告する。原材料高が中小春闘の足かせになったと振り返った。

 人手不足を追い風に改善を図った組合も複数ある。旧国立病院・院内保育所での月額換算平均2万3000円の賃上げや、学童保育での5ケタ回答(建交労)、出版労連では最高で1503円もの企業内最賃協定の改定にこぎ着けている。

 民放労連は、ベア回答の水準、獲得組合数ともに昨年を下回ったとしつつ、賃金が長年低いまま据え置かれていたラジオ局で、「人が来ない」として月額2万円の賃上げを獲得した取り組みを紹介した。在京キー局では、構内で働く労働者約4000人全員への2万円分の商品券の配布や、食堂無料開放を行わせたほか、ローカル局では構内スタッフの派遣料金を一昨年に続き改定させた組合もあったという。

 福祉保育労は、要求提出は昨年並みの3割と低い水準にとどまったものの、ベア獲得組合数は昨年を大きく上回ったと述べ、国の処遇改善加算などを示しながら粘り強い交渉を展開したと報告した。

 国公労連は政府が検討している配偶者手当の廃止について発言。「全国転勤があり、共働きが難しい。生活補てんとして手当は重要だ。女性活躍の名目で廃止するというが、就労の促進にはつながらない」と批判した。

 自治労連は、地域間格差を解消するために自治体が地域手当を独自に引き上げると、国からの特別交付税が削減される問題や、4月から全国で始まった人事評価制度に対する取り組みを報告した。

 井上事務局長は討論のまとめで、「実質賃金低下に歯止めをかける闘いをどう進めるか。社会的な賃金闘争を前に出していく必要がある」と語った。 (連合通信) 

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