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2016年08月29日

全国平均で25円アップ
新最賃額出そろう

中小支援求める意見増える

 2016年度の最低賃金改定額が8月23日、全ての都道府県の地方最賃審議会で出そろった。6県で中央最賃審(中賃)の目安に上積みし、全国加重平均は25円。初の20円代引き上げに対し、答申の中で中小企業への支援拡大を求めたところが「かなり増えている」(厚生労働省担当官)という。

 7月末に示された引き上げ目安は、大都市などAランクが25円、以下B24円、C22円、D21円。この目安に、Bの埼玉、兵庫、Cの香川、Dの島根、鳥取、高知が1円を上積みした。

 昨年は神奈川で目安を1円下回るマイナス改定が行われたことから、今年は中賃が目安の趣旨を各地方最賃審に徹底する「補足説明」を通知。懸念されていたマイナス改定はなかった。 改定により、鳥取、島根、高知が全国最低県から抜け出した。最低額は宮崎、沖縄の714円で、最高額は東京の932円。最大格差は218円に広がった。

▼トップダウンの歪み
 
 今回の地方最賃審の答申では、中小企業支援を求める意見が付記されるケースが多い。厚労省担当官は、異議申し出期間終了前の集計の公表は困難としつつ、「かなり増えている」と受け止めている。

 大阪ではビル清掃請負会社の経営者が意見陳述し、ダンピングで低下した行政機関の委託料(公契約)改定が、最賃引き上げに間に合っていないとし、その改善を強く要望した。福島では、答申で中小企業の厳しい経営実情を訴え、「政府におかれては、社会保険料の減免等のより即応性・実効性の高い施策の実施」という要望を付け加えている。現在の支援策(生産性向上の助成金など)はあまり有効ではないという主張だ。

 審議会の採決で使用者側全員反対の地方も21都道府県に増えた(昨年は1県)。目安通りでも反対している地方が多い。

 鳥取では、改定額をまとめて専門部会(公労使少人数で審議)の報告(金額改定)を公益委員が「目安が高過ぎる」「プラス1円の根拠が分からない」などと反対し、いったん否決されるという「アクシデント」も発生した。鳥取労働局によると、過去には例がないという。

 政労使による社会的対話を経ず、政府がトップダウンで数字を押し付ける手法の歪みが生じているといえるのではないか。過去に最賃の到達目標を定めた2007年、10年には、政労使会議を経ていた。(連合通信)
 

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