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2016年06月21日

最低生計費はほぼ1500円
全労連が試算発表

12道県労働者のデータを分析

 全労連は6月15日、一人暮らしの労働者の「最低生計費」がいくらになるのかを全国規模で調べ、試算した結果を発表した。月額では22万~25万円(税込み)となり、一般労働者の月間所定内労働時間(149・3時間)で時給換算すると、ほぼ1500円だった。

▼1000円は低すぎる

 試算は12道県の労働者を対象に、普段の生活パターンを調べ、そのために必要な持ち物をどれだけ所有しているか調査する手法を取った。労働者約7100人が回答した。

 6月2日に政府が公表した「一億総活躍プラン」は最低賃金1000円の実現を掲げ、毎年3%引き上げることを打ち出した。これに対し、全労連の斉藤寛生賃金・公契約対策局長は「政府の1000円目標に科学的根拠はない」と指摘。「最賃に張り付いている労働者の実態を考慮に入れ、あるべき最賃に近づけていくべき」と述べた。

▼1500円は高くない

 10~30代の一人暮らしの若者と意見交換を重ね、生計費データを作成した静岡県立大学の中澤秀一准教授は、こう話している。

「最低生計費でまかなわれる生活スタイルでも同じスーツを着回し、飲み会や外食に行く頻度は月2、3回と、極めて質素。最賃の全国平均798円は人間らしい生活ができる賃金とは大きな隔たりがある。1500円は決して途方もない数字ではない」。

時給千円今すぐ実現を全労連が最賃で中央行動

 最低賃金の大幅引き上げを参院選の争点に押し上げようと、全労連は6月17日、厚生労働省前で座り込みなどの中央行動を展開した。小田川義和議長は「1%に集中する富を99%に強制的に再配分する手段として最低賃金が位置づけられ、市民と野党の共通の政策課題になりつつある。時給1000円以上を今すぐ実現すべき」と語った。

 集会では「非正規労働者が多い医療・介護の人手不足解消には最賃引き上げが重要」(医労連)、「隣の神奈川との差は122円。人口流出が深刻」(静岡)などの発言があった。

全国一律へ法改正を全労連が最賃運動方針

 全労連は7月に開く大会で、今後4年をめどに全国一律最低賃金制度の整備をめざす「全国最賃アクションプラン(仮称)」を確認する。野党共闘を強め、議員立法による法改正をめざす考えだ。特定(産別)最賃についても新設を促す見直しを提起する。

 方針は、地域間格差が最大214円にも上る現行制度の欠陥は明らかだとして全国一律制の導入が必要と指摘。その水準は各地で行った最低生計費調査を踏まえ、時給1500円が必要としている。制度導入には最賃法の改正が必要。格差への問題意識も高まっており、広範な団体の合意を得たい考えだ。また、時給1000円以上への引き上げは政治決断で緊急に行うよう求めていく。

 特定最賃については、新設要件の緩和など、仕事に見合った適切な賃金水準を実現し得る制度への見直しを提起する。(連合通信) 

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