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2016年09月05日

年金改革を考えよう
10月からパート労働者も加入対象に

遠すぎる支給開始年齢

 この秋から短時間労働者の社会保険適用が拡大されます。これまで週30時間以上働く人が加入対象でしたが、「週20時間以上」に引き下げられるのです。厚生年金加入者を増やし、年金の財源強化をはかることが国の狙いですが……。

▼「メリット薄い」女性たち

 「社会保険に加入しても、どれだけメリットがあるのか…。厚生年金を受け取れるのは、私の年代だと70歳以降になるかもしれないのに」と表情を曇らせるのは大手スーパーのパートタイマー中川静子さん。

 年金受給開始年齢は現在65歳。これは今後段階的に引き上げられる可能性があります。40代の中川さんにとって、70歳は遠過ぎて実感がありません。

 「今の職場であと何年働くか分からない。数年で退職するような場合は、支払った保険料が年金に反映されるとしてもわずかでしょう。それよりも、夫の扶養でいられる方がいい」

 彼女の母親は現在要介護度2ですが、国は「要介護度1、2」の高齢者を保険対象外とし、介護サービス利用料の全額自己負担化を検討中です。

 「母の通うデイサービスの利用料が、今後全額自己負担になれば、私の社保負担増と合わせてダブルパンチ。在宅介護に切り替え、私が面倒をみることになるかもしれないし、目先の介護に手一杯。自分の老後まで頭が回りません」 

 社保適用拡大の目的の一つには、女性の就業促進も指摘されています。そのためには介護や育児などの負担軽減が求められますが、それに必要な特別養護老人ホームや保育園は不足したまま。これでは「短時間非正規」を選ぶ女性を減らすことは困難です。中川さんのように「扶養範囲内」を選ぶ女性が増えるのであれば、厚生年金加入者増の目的も達成できません。

▼違法な社保逃れを許すな

 もちろん社会保険を希望していたのに対象外だった週20~30時間のパート労働者には朗報です。社会保険料負担を嫌い、社保加入をさぼる企業がでないようチェックが大切です。

 適用拡大は当面、従業員501人以上の企業ですが、対象企業が広がった際には、社保逃れが横行する懸念も。こうした企業で働く人は個人で国民年金保険料を納めない限り将来的に無年金になる恐れもあります。社保適用拡大の取り組みと合わせ、違法な社保逃れの摘発も急務です。

▼最低保障年金の確立を

 国民一人一人の年金受給権を確立するため、税金でまかなう「最低保障年金導入」を望む声もあります。

 専門家の中には「安倍政権は年金積立金で株式購入するようなバクチをやめる。積立金は現役世代の保険料負担を引き下げるために使い、かつ標準報酬の上限を引き上げることで財源を強化する。そうすれば最低保障年金の導入は可能」という人もいます。

 昨年、東海道新幹線車両内で生活苦を理由に男性が焼身自殺しました。生前「年金額が少ない」と周囲に漏らしていたそうです。

 日本人の幸福度は高齢になるにつれて低くなる、という統計結果があります。「団塊の世代」が75歳を迎える「超高齢時代」到来の2025年まであと10年。誰もが安心できる年金改革は喫緊の課題です。(連合通信) 

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