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中小企業育成にもならない |
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外国人技能実習制度 |
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今国会で審議中の外国人技能実習制度見直し法案の内容や制度自体の問題点は何か――。実習生を支援してきた愛知県労働組合総連合(愛労連)の榑松佐一議長に聞いた。 ○ 働く場に外国人を受け入れることは、海外との交流や多文化共生の面でも意義のあることです。しかし現在の外国人技能実習制度は、本来の目的である「技能移転」が形骸化し、人権なき出稼ぎ労働になっているのが実態です。 実習生の受け入れ体制を整えるためには、まず送り出し国との間で業種ごとの人数制限を設けるべき。しかし法案では全体の受け入れ人数すら無制限のままです。さらに問題なのは、不正を告発した実習生に逆に帰国を迫るような法務省入国管理局の姿勢です。「強制帰国ありき」の行政運用のもとでは、実習生は声をあげられず、人権侵害がますます広がりかねません。 受け入れ団体を監督する新たな機関をつくることは一定評価できますが、300人程度の職員で全国を管轄するとされており、実効性に疑問があります。 営利目的で仲介を行うブローカーへの対策も不十分です。実習生は、現地送り出し機関→日本側監理団体→実習企業と複数の団体を経由するため、途中でピンハネする悪質な業者が入り込みやすい。特に規制が難しいのが、現地送り出し機関に日本のブローカーが介在しているケースです。法案では当事国の政府間で取り決めを作るとしていますが、実際には不正があった場合でも受け入れ拒否などの罰則はありません。監理業務の委託禁止やブローカーへの罰則規定を設けるべきです。 ▲背景の産業構造こそ問題 もう一つ大事なのは、長い目で見て企業の育成につながらないという点です。 実習生を雇用しているのは多くが中小企業。自動車製造業を例に取ると、経営的に苦境に立たされた下請け企業が多い。圧倒的な力関係のもとでトヨタなどメーカーからコスト削減で単価を限界まで切り下げられ、廃業とのはざまで実習生を雇用している零細企業も少なくありません。急な発注に応じるための残業や休日出勤が常態化するなか、ある中小企業経営者は私に、「日本人が来るなら雇いたい。でもすぐ辞めてしまう」と嘆きました。 こうした下請けたたきなどを改め、中小企業を魅力ある産業構造にしていくための対策こそ求められているはずです。安価な労働力として実習生の雇用を拡大することは、日本人の労働条件を下げていくことにもつながりかねません。 私たち自身の働き方を守るためにも、実効ある適正化が求められます。(連合通信) |
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