京都府職員労働組合 -自治労連-  Home 情報ボックス 府政NOW 京の写真館 賃金 料理 大学の法人化



2016年04月11日

「安倍政権と市民との闘いだ」
インタビュー/出村良平連合北海道会長

衆院補欠選北海道5区

 今夏の参院選の前哨戦とされる衆院補欠選挙が、4月12日告示、24日投票で行われる。自民党の派閥領袖だった町村信孝前衆院議長の死去に伴う北海道5区補選では、民進ほか野党四党が推す池田真紀候補=無所属と、故町村氏の女婿=自民の一騎打ちとなる。連合北海道の出村良平会長は「暴走を続ける安倍政権と、市民との闘い」と位置づけ、「絶対に負けられない」と力を込める。

 ――今回の補選の意義をどう捉えていますか?
 出村 憲法違反の安保法制を強行成立させて以降、初めての国政選挙。京都3区補選とともに、参院選の前哨戦であり、立憲主義、民主主義を取り戻す足がかりとなる選挙だ。働く者の立場からいえば、「生涯ハケン」の働かせ方を広げる労働者派遣法改悪後初でもある。「残業代ゼロ制度」を新設する労働基準法改悪法案や、解雇の金銭解決制度など、労働者保護ルール破壊の是非も問われなければならない。

 5区の千歳市と恵庭市には陸上自衛隊の駐屯地があり、現役の隊員の皆さんをはじめ、家族やOBが多く暮らしている。「安保法制の施行で米国の戦争に行かせていいのか」ということを訴えていきたい。

 ――「アベノミクス」への期待は感じられますか?
 相対的に評価は低い。道内経済は製造業が比較的少なく、円安に伴うコスト上昇、物価高の負の影響の方が大きい。世界的な原油安で助かっている面を割引いても、トータルではマイナス。失業率が下がり、高校生、大学生の就職内定率は上がっているが、非正規雇用が増えているというのが実態だ。

 TPP(環太平洋経済連携協定)に対しては、道庁、道経連、道農民連盟、連合北海道が全て、反対か慎重の立場を表明している。「(重要品目は除外または再協議などの)国会決議が守られているのか」ということをはっきりさせなければならない。

▲野党共闘の効果は大

 ――保守の地盤が固いのでは?
 政党の支持基盤だけを見れば厳しい選挙だ。私たちは政党間の対決構図ではなく、「暴走を重ねる安倍政権と、市民との闘い」と位置づけている。
 山口二郎法政大学教授やSEALDsなどが呼びかける「安全保障法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の推薦もいただいた。闘い方次第では十分勝利を展望できる。

 ――「野党共闘」や幅広い市民との連携によるプラスの効果は?
 やはり効果はある。元々の下馬評では相手候補に大差をつけられていたが、最近の世論調査では2~6ポイント差にまで追い上げてきた。スタートが遅れ、鈴木宗男氏の「大地」が抜けたことによるマイナス面を考えれば、共闘の効果は大きいといえるだろう。

 選挙事務所にはいろんな人が来ている。ネットワークを従来以上に広げる条件ができ、相手方の物量作戦に負けない選挙戦を展開できるようになった。

 ――マイナス効果は?
 一つは「野合」批判が挙げられるだろうか。これに対しては「安倍政権の暴走阻止、立憲主義、民主主義を回復させるため」と反論する。もう一つが、組織内で「共産党とは組みたくない」というものが考えられるが、極めて限定的だ。既に政党と市民団体とが決めたことだから、今は後ろ向きの意見は出ない。

 ――具体的にどのように活動していますか?
 上田文雄・前札幌市長が呼びかける市民団体「市民の風」を軸にした「ブリッジ共闘」だ。「市民の風」を挟み、連合北海道や、道労連の皆さんも一緒にビラ配布やポスター貼りなどを行っている。ただ、選対本部はそれぞれで構えるようにし、持ち味を発揮できるようにしている。

▲「暮らし」を前面に

 ――今後の取り組みのポイントは?
 池田真紀の知名度がまだ低い。5区は広い選挙区。一部地域での選挙のため、関心が高まっていない。終盤戦で帰すうを決する選挙になるだろう。マスコミ調査では、無党派層では池田支持が上回っている。ここに働きかけを強めるとともに、投票率を前回(58・43%)以上に引き上げなければならない。

 街頭宣伝をしていると、保守層の人から「今の安倍さんにはついていけない」「次は自民には入れない」という反応がポツポツ出てきた。特に待機児童問題が政治問題に浮上してから反応が変わった。

 池田候補はシングルマザーで苦労して子どもを育てた経験があり、ソーシャルワーカーとして福祉の現場を熟知している。働く者、働く女性、弱者に冷たい今の政治の矛盾を説得力をもって訴えられる人物だ。暮らしの問題と、「誰一人、置いてきぼりにしない政治の実現」を訴え、うねりを起こしたい。

 ――決意と、全国の労組組合員に訴えたいことは?
 日本の将来を左右する闘いであり、民主主義、立憲主義を取り戻す闘いだ。絶対に負けられない。

 連合本部の推薦もいただいた。全国の組合員の皆様には、北海道在住のお知り合い御友人にお声掛け下さり、御支援を訴えていただきたい。連合北海道も既に選挙体制に入り、後援会への紹介運動、職場訪問、毎日20カ所以上での街頭宣伝を目標に、取り組みを展開している。(連合通信) 

府職労ニュースインデックスへ