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2015年 7月06日

住民ら1000人が戦争法反対
自衛隊駐屯地のある東京都練馬区

高畑勲さんらが呼びかけ

 安倍政権の「戦争法案」に反対する市民たちの集会とデモ「ねりま集会&パレード」が7月1日夕刻、東京都練馬区内で行われ、区民ら約1000人が参加した。同区は自衛隊駐屯地があり、自衛隊員の家族が多く暮らしているという。

 集会では、埼玉大学名誉教授で教育評論家の暉峻淑子さんがスピーチを行い、次のように訴えた。

「紛争地での難民支援活動では迷彩服を着た海外の軍人よりも、非武装の日本人の支援が喜ばれる。日本の平和憲法は世界中で知られている。だからこそ東日本大震災後、かつての紛争地の人々が『恩返しだ』と募金してくれた。これが本当の国際協力ではないか。ドイツに『会話が続いている間は殴りあいは起こらない』ということわざがある。安倍政権は戦争法案を成立させて、殴り合いをしようとしている。黙っているのは安倍政権を支持すること。何か一つでもできることをしなければならない」

 呼びかけ人のアニメ映画監督、高畑勲さんも参加。アニメの映画音楽がトランペットで奏でられる演出もあった。それに合わせて踊る子どもの姿もみられるなど、参加者の笑顔が多く見られた。

 初めてパレードに参加したという練馬区在住の大学生は「高畑勲さんの映画『火垂るの墓』を小さい頃に見て、戦争はいやだと思うようになった。その高畑さんが賛同しているということで集会に初めて参加した。若い参加者がもっと増えてほしい」と語った。

〈参加者の訴え〉

若者に情報伝え続ける黒田朝陽さん(学生9条の会)

 ブラックバイトで働かされたり、奨学金返済に苦しんだりしている若者は多い。生活困窮から自衛隊に入る人が増えるのではないか。「経済的徴兵制」だと思う。

 渋谷で中高生に戦争法案についてアンケートを行った。「分からない」という人が大多数だった。情報が届いていない。最初は「賛成」「分からない」と言っていた人でも、説明すると「武力行使はだめ」「戦争はやはりいやだ」と意見を変えた。反対の声はたくさんあると感じる。こうした声を可視化していきたい。

▼しんがりでも声をあげる望月達雄さん(元復員兵)

 1945年、18歳のとき徴兵された。「本土決戦が目前だ」といわれ、鳥取で受けた軍事訓練が、砂浜に穴を掘るという作業。「ソ連兵が日本海を渡って攻めてくる。戦車の上陸を阻止するためにお前たちは爆弾を背負って穴に隠れろ。戦車が来たらその前に飛び出せ」と命令された。死ななければならないと思っていたから、玉音放送を聞いてもよくわからなかった。
 復員、復学して勉強をしながら戦争の怖さが分かってきた。88歳になり最前線で反対運動はできないが、しんがりにしがみついてでも声をあげていきたい。

▼人を殺さない国を息子に扇田梨絵子さん(主婦)

 戦争法案をつぶすまで路上に出て歩き続ける。小学生の息子が大人になったときに、「お母さん、あのとき何してたの」と聞かれて目を見て答えられない母にはなりたくない。息子を育てているのは、彼が将来誰かを愛し愛されて、豊かで平和な人生を送ってもらうため。罪のない人を殺すためではない。今まで9条に守られてきた私たちが、これからは9条を守っていかなければならない。

▼保革の枠を超えて井筒高雄さん(元陸上自衛隊レンジャー部隊員) 

 現状では防衛予算が年間5兆円。海外で戦争するようになれば、その倍はかかるようになる。教育や福祉のための予算がカットされるだろう。安倍自公政権がろくに議論せずに「戦争法案」を成立させるのは法治国家としてめちゃくちゃだ。保革の枠を超えて、「戦争はだめ」と言う人が力を合わせよう。(連合通信) 

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