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2015年 8月18日

戦争法は抑止力にならず
元外務官僚の孫崎氏が指摘

尖閣問題は「棚上げ」にすべき

 元外務官僚(国際情報局長)の孫崎享さんが8月6日に国会内で講演し、安保関連法制(戦争法案)が中国に対する抑止力になるという政府の説明を「あり得ない」と批判した。講演は「戦争をさせない1000人委員会」と、国会議員でつくる立憲フォーラム共催の院内集会で行われた。

 孫崎さんは、抑止力にならない理由として、新たな日米防衛ガイドラインの条文を挙げた。そこでは、島嶼(しょ)防衛について「自衛隊が主体」「米軍は支援・補完」と定められている。要するに、「米軍が戦闘に参加しなくてもいいようになっている」のだという。米軍が出てこないのでは、抑止力になりようがないという説明だ。

 「超大国同士は軍事衝突を極力避けるという合意があるためで、尖閣諸島でも軍事衝突を避けるのが米国の方針である」

 ではなぜ、ことさらに「中国脅威論」が強調されるのか。孫崎さんは米国の右派系シンクタンク「ヘリテージ財団」の存在を指摘する。同財団のクリムナー・アジア部長が2012年の安倍政権発足を受けて書いた論文に注目すべきと指摘。そこでは、中国脅威論をあおることで、(1)日本の防衛費増額(オスプレイ購入)(2)集団的自衛権をめぐる柔軟な解釈(憲法にとらわれない米軍支援)(3)沖縄・辺野古への米軍基地建設――が可能になると述べていることを紹介し、日本政府はその線に沿って動いていると告発した。

 孫崎さんは「日本政府は自分の頭でものを考えず、米軍に奉仕することばかりやっている。中国の軍事強化は事実だが、それと日本を攻撃することとは違う。尖閣諸島の問題は、過去の日中間の約束に従って棚上げすべきだ」と強調した。〈連合通信〉 

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