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12万人が「戦争法案は廃案に」 |
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〈国会周辺で参加者の声〉 |
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「戦争法案は廃案に」と訴える12万人の声が国会を取り囲んだ。「戦争させない・9条壊すな!総がかり実行委員会」が呼び掛けた「8・30」の行動だ。この日、全国でも大阪の3万人集会をはじめ「1000カ所以上で行動が行われたもよう」(主催者)。国会正門前は車道まで人でいっぱいに。参加者は議事堂に向け「安倍政権は即退陣」などのコールを繰り返した。 正門前には野党4党の党首が勢ぞろい。「あと3週間、廃案にするため力を貸してほしい」(民主党の岡田克也代表)、「追い詰められ、ボロボロになった法案は廃案しかない」(日本共産党の志位和夫委員長)、「武力を背景にした積極的平和主義は時代遅れ」(社民党の吉田忠智党首)、「こういうところへ来たのは初めて。危険な法案を阻止するため力を合わせねばならない」(生活の党の小沢一郎代表)とあいさつした。 ミュージシャンの坂本龍一さんも駆け付け、「僕は絶望していたけど、SEALDsの諸君、特に女性たちが発言しているのを見て、日本もまだ希望があるんだと思った」。憲法を血肉化する営みが始まっていることを高く評価した。 ■首相は裸の王様―国会周辺の声 「8・30行動」の参加者たちに、法案や安倍政権に対する思いを聞いた。 ▼圧倒されてます 「一度、国会前のデモに参加してみたかったんです」というのは、広島医療生協に勤めている山下知子さん。この日は職場の仲間と二人で参加した。 「広島では先日、4000人のデモがありましたが、こんな大きなデモは初めて。今は圧倒されています」 ▼落語みたいな国会審議 埼玉県越谷市から東京の浅草へ遊びに来た60代の女性は当日の朝、喫茶店でデモのことを知り、駆け付けたという。両親は戦争体験者。父からは、自分の考えを持つことが大事だと教えられて育った。 「現政権は、言うことに筋が通ってないし、国民や日本のことを大事にしていない。安保法案の審議は変な落語を聞いているようで笑ってしまう。安倍首相は裸の王様です」と厳しく批判していた。 ▼今のうちに止めないと デモへの参加は2回目という、都内在住の30代の女性。「たとえ小さなことでも行動したかった。9条を守りたい」。安保法案については「アメリカの戦争を日本が後方支援する内容。今のうちに止めないと。政府任せで戦争が起きてからでは遅い」 ▼政府の説明意味不明 子どもに関する仕事を長年続けてきた都内在住の60代女性の手には「9条まもろう」と書かれた手製のうちわ。「安保法案の説明を聞いてもいつ、どこで、誰が、何をしたいのかが全く分からない。アメリカの要求に従っているだけだから、説明しようとしてもできないのではないか。子どもたちには、戦争の被害者にも加害者にもなってほしくない」 ▼沖縄差別と同じでは 50代の男性は「若者に負担を押し付ける戦争法案には、辺野古(新基地建設)や原発と同じように弱者に負担を押し付ける差別構造がある」と指摘。利益を受ける者と負担を強いられる者との不平等な関係を問うことが必要だと訴えていた。 ▼戦争準備は進行中? 山梨県労(全労連の地方組織)の組合員たちは、バス6台をチャーターして200人で参加した。「怒」のマークをプリントしたそろいのハッピ姿で、コールに合わせ拳を突き上げていた。30代の男性は、法案審議で自衛隊の内部文書が暴露されたことについて「戦争参加に向けて、実際にものごとが動き始めている。若い世代の間にも『怖い』という声が広がっている」と話していた。 ▼かつての運動を反省 職場の退職者仲間4人組で来たという男性は、「高校生や大学生が声を上げたのは本当にすごいこと。政治を表だって語りにくい風潮が変わってきたと思う」。かつてはヘルメットをかぶって学生運動に参加していたという男性は、「運動は平和的にやっていくことが重要。ここで盛り上がってお終い、ではなく、次の参院選まで運動を続けていかなくては」とくぎを刺した。 隣にいた女性は「最近のテレビは信用できない」と語り、記者に対して「私たちの意見、ちゃんと記事にしてくださいね」と一言。 ▼60年安保よりすごい 市民団体「子どもと教科書全国ネット21」のメンバーだという男性は「今の運動は組織中心の運動ではなく、学生、学者、主婦などの市民が動かしている。自発的に集まった10万人は、組織動員型だった60年安保の30万人よりずっと意味がある」と指摘した。 ■国会前で合唱アピール/自由の森学園の200人 30日の戦争法案反対の国会前行動でひときわ目立っていたのが、「自由の森学園」(埼玉県飯能市)の生徒ら約200人による合唱アピールだ。学園は「競争をしない」というポリシーに基づいて運営している私立中高一貫校。 曲目は、フランス革命を扱ったミュージカル『レ・ミゼラブル』の『民衆の歌』や、学園オリジナルソング『世界が愛で満たされますように』、ブルーハーツの『青空』など。 曲の合間に在校生がマイクアピール。平山連さん(17)は「沖縄の反基地運動でも住民たちは沖縄民謡を歌ったりするんです。(抵抗手段として)歌はありです」と、この行動を企画した動機を語った。 合唱には在校生、卒業生、保護者のほかに口コミでイベントに共鳴した一般の人も参加。歌詞カードも用意され、歌を知らない人への配慮もあって、終始アットホームな雰囲気で演奏が続けられた。〈連合通信〉 |
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