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自らの言葉で「加害」と向き合う |
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各地で広がる民衆談話 |
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安倍首相の戦後70年談話が出されるのを前に、全国で市民らが独自の談話や宣言を発表する動きが相次いでいる。7月29日、各地で活動に取り組む8つの市民グループが一堂に会して報告会が行われた。「戦後70年市民宣言・あいち」の池住義憲さんは、加害の歴史に向き合ったものを市民目線で発信したいと述べた。各地の取り組みを紹介する。〈写真・全国各地の談話や市民宣言を発表し合う参加者ら(7月29日、都内で)〉 ▼「二つの加害」/愛知 愛知では、日韓条約50年を考える3月の集会をきっかけに、幅広い賛同者が集まって議論を重ねてきた。 市民の歴史認識として「二つの加害」に言及しているのが特徴だ。戦時中の植民地支配と膨張主義的政策によってアジアで2000万人もの命を奪い、植民地統治下の主権侵害や強制労働などを行ったことが「第一の加害」だ。 戦後、日本政府は日本軍「慰安婦」や強制労働被害者などへの謝罪・賠償を一貫して拒否し、靖国神社への首相参拝など、侵略の事実に向き合わず責任を放置し続ける「第二の加害」を犯していると指摘。安倍首相に5項目の具体的な「緊急要請」を行い、各国大使館に宣言を送った。市民宣言の賛同者は1000人を超えている。 ▼日米両国に戦争責任/広島 広島で活動を進める「検証:被爆・敗戦70年―日米戦争責任と安倍談話を問う―実行委員会」は、8月4日から3日間、集会を開く。研究者や弁護士を交えて討論し、「市民の談話」を発表する。 実行委代表の田中利幸さんは、日米両国の戦争責任を問おうとしない「二重の無責任」を厳しく批判した。「米国の原爆による無差別殺戮(さつりく)に対し、きちんとした謝罪を要求した広島市長は一人もいない」と指摘。 それは、広島からも出征していったアジア諸国に対する日本の侵略責任を問わないことと「表裏一体のもの」という。「市民の談話」では、その矛盾を問いたいと話している。 ▼一人一人が個人談話を/埼玉 埼玉の「民衆談話の会」は、小さなグループや個人による談話を募っている。これまでに全国から300以上の談話が寄せられた。共同代表の松永優さんは、「戦前のファシズムは権力によって進められるとともに、民衆がそれに加担していった悲惨な歴史がある。いまファシズムに抗していくために、民衆一人一人が自らの声、言葉で語るべきとき」と話す。8月23日の活動報告集会では、寄せられた談話を冊子にして発表する予定だ。 同会にはジャーナリストのむのたけじさんら多くの著名人も名を連ねている。 〈識者コメント〉市民主導に希望 集会には研究者やジャーナリスト、国会議員も参加した。恵泉女学園大学名誉教授の内海愛子さんは「戦後、日本の植民地支配の反省は行われてこなかった。『加害者としてのわれわれ』という認識が、市民主導の取り組みで進められていることは重要」と指摘。ルポライターの鎌田慧さんは、「60年代の安保闘争では『戦争の恐怖』は語られたが、加害の意識は十分に語られてこなかった。市民運動や個人の意識が深化していることの現れだ」と述べた。〈連合通信〉 |
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