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マスコミの評価は甘さが目立つ |
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『経済財政白書』は国民の失望に目を向けよ |
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これでは自画自賛どころか、自画絶賛だろう。8月14日に政府が発表した『経済財政白書』のことである。 「四半世紀ぶりの成果と再生する日本経済」をサブタイトルにした白書は、「企業の収益改善が雇用の増加や賃金上昇につながり、それが消費や投資の増加に結び付く『経済の好循環』が着実に回り始めている」と主張した。企業のもうけが働き手にも滴り落ち、消費や投資が活発になっている、というのである。 どう見ても、この主張は事実とはかけ離れている。今年4~6月期の国内総生産(GDP)速報値は実質で前期比0・4%減と、3四半期ぶりにマイナスとなった。主因は個人消費の落ち込みだ。 大企業はもうけているが、物価上昇のために実質賃金は前年比マイナスをつづけているから、私たち勤労者世帯は財布のひもを緩められない。 お札をどんどん刷って市中に出回らせれば景気は必ず良くなる。みんなが期待すれば、ほんとうに良くなる。期待に働きかけることこそ経済政策なのだ――。アベノミクスの核には、そんな発想があった。 だが、株価は「期待」で上がっても、実質賃金や設備投資は「期待」では動かない。そして、「期待」で上がったものは、いつか必ず「失望」で下がる。 「期待」という名の夢から覚まさないためなのか。プラス材料ばかりをまくし立て、サプライズを連発し、なりふり構わず「期待」をあおる。安倍政権の経済運営は、怪しげなベンチャーの投資家説明会に似てきた。 だが、総じてマスコミの評価は甘さが目立つ。産経新聞(8月14日付電子版)は、「今後、白書の分析や提言に沿ってどう具体的に課題を克服していくのか」と問いかけるが、間違った「分析」に沿って「課題を克服」できるはずもない。 神戸新聞は8月18日付社説で「GDPマイナス/アベノミクスは正念場だ」と説いた。「雇用者全体の賃金を引き上げる手立てが不可欠」との指摘は同感だが、アベノミクスは「正念場」ではなく、破綻プロセスに入ったと見るべきだろう。 不都合な真実を見つめる目と勇気を、今こそ持ちたい。 『白書』は勤労者の「失望」に目をむけよ。〈連合通信〉 |
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