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歴史に背向ける安倍政権 |
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反対の声全国へ大きく広がる |
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戦争法案を強行しようとする安倍政権。過去の歴史を否定しながら「戦争ができる国」をめざす首相に多くの識者が批判の声をあげています。都内で最近開かれたシンポジウムから、その声を紹介します。 ▼過ちを繰り返すな/作家 半藤 一利さん 日米の外務・防衛閣僚が4月27日、「新たな日米防衛協力のための指針(新ガイドライン)」に合意しました。日本では大きな問題としてあまり取り上げられませんでしたが、実は大変な内容を含んでいます。 1960年に改定された日米安全保障条約(日米安保)では安全保障の範囲を「極東」に限定しています。新ガイドラインでは軍事協力の範囲を、「アジア太平洋地域及びこれを越えた地域」と大幅に拡大しました。安保条約が骨抜きにされた内容です。 米国が起こした戦争に、米兵の代わりに「日本兵」を送るということです。日本国憲法について「米国からの押し付け」という主張がありますが、この新ガイドラインこそ押し付けではないでしょうか。 ・武力は国を守らない 戦前の日本は「攻めるは守りなり」の考えに立ち、「国を守る」ために外へ外へと侵略を広げました。戦争目的はいつでも「防衛」です。しかし武力は相手を刺激するだけで防御にはならないというのが、太平洋戦争の教訓。国を守るために必要なのは外交です。そのことに私たちは早く気がつかなければなりません。 ▼脅威は減っている/軍事ジャーナリスト 田岡 俊次さん 集団的自衛権に関する議論を聞くと、安倍政権がいかに歴史を踏まえていないかがわかります。 政府は、自衛権に関する1972年の政府見解を持ち出して、「集団的自衛権は合憲だ」と主張しています。見解自体の結論は「集団的自衛権の行使はできない」というものですが、当時と比べて現在は安全保障環境が悪化しているので、集団的自衛権行使は容認されるという理屈です。 ・安保環境悪化は誤り その前提は間違っています。当時はベトナム戦争の末期で、米軍と解放軍との間で激しい戦闘が繰り広げられていました。核軍備競争のピーク時でもあり、米国は1054基、ソ連は1618基の大陸間弾道弾を保有。ソ連が極東に配備した中距離核ミサイルは、日本にある米軍基地に照準を合わせていると見られていました。当時、私は防衛庁担当の記者でしたが、大戦争につながりかねない事件が起きるたびに、ハラハラしていました。 現在は米中の経済相互依存関係が深まり、大戦争の気配はありません。72年当時より日本の安全保障環境が悪化しているというのはむちゃな想定です。 ▼歴史修正許さない/琉球大学名誉教授 高嶋 伸欣さん 安倍首相は、過去の日本の加害責任や侵略の事実を否定しようとする「歴史修正主義」の先頭に立つような言動で、中国や韓国など東アジア諸国の不信を買ってきました。 1990年代半ば以降、歴史教科書への攻撃が強まり、日本の植民地支配や侵略の事実を否定しようとする教科書も現れました。安倍首相はこうした動きと結び、自民党は「自虐史観や偏向した内容の教科書が多い」との批判を重ねてきました。 「歴史修正主義」をさかのぼると、南京大虐殺や従軍慰安婦などの事実を否定する動きや、天皇の神格化といった歴史の歪曲(わいきょく)とつながります。 最近の検定では南京事件にまったく触れない教科書が通るなど、アジア諸国のさらなる不信を招く事態が懸念されています。 ・沖縄県民は強く抗議 2007年の教科書検定で、沖縄戦の「集団自決」を軍による強制があったと認めなかったことに対し、多くの県民が強く抗議。後の「オール沖縄」につながりました。歴史修正主義への怒りを良識ある保守とも共有し、大きなうねりにしていくことが大切です。 |
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